シロクマ日和



[ 中村一義 ]

「ERA」の感想は、第一印象は、
天才と言われるのも分かるし価値あるアルバムだけど、
自分のガッとはまる位置よりも微妙に上だな、
ライトだな、と思ってました。そして高い。
それから一番最近のシングルが一番好きだから、
次のアルバムはきっととても好きだろう、と思った。

最初から凄いな、いいな、と思ったのは、歌詞です。
詩集は三代目魚武の一冊しか持っていない私ですが(笑)
アルバムの冊子はやっぱり詩集ですよねえ。

歌詞は語り口調というか、歌い口調なんですが、
読点(、)がいっぱいあって、リズムが、いい。
(↑こういう感じ)

あんまり関係ないですが15曲中5曲の歌詞の中に
「ねぇ」が入ってます。
さぁ、とか、まあまあまあ、とか。
ちょっと和みます(笑)

でも歌詞の内容は別にライトじゃないので、ヘビーでも
ないですが、確固たるものはあって、
割とのほほんと生きている私には突き付けられたものが
色々あって、そういう意味で少し高い。

曲名も「ジュビリ」「威風堂々」「ゲルニカ」「ハレルヤ」
「ロザリオ」「メロウ」「グレゴリオ」「素晴しき世界」
(ちなみに全20曲・そのうちインスト5曲)
適当な曲には感じないでしょう?
だから色々突き付けられた。嫌味あり怒りあり。

曲もね、こういまいちテンポが遅い(私の基準より)と
思ったんですが別に中村一義サイトでもないし、
気に入らなかったら黙ればいいんですよ。
つまんなかった映画とか数々黙殺してますから。
だけど何となく書きたくなるのはどうでもいい作品では
ないって風に捉えて頂いてもいいのかなあ。
頼り無い(笑)

別におすすめはしませんけど、定価で売れても売ろうとは
思わない感じです。あとレンタル向きではないと思った。
買わないと、聞けませんよ。

それからアレンジはやっぱり凄い。

「21秒の沈黙」はタイトルそのままです(笑)

「君ノ声」(よんせんごひゃくえんのCMのやつ)
は文句無しに好きだし、ロザリオも好きだし、
やっぱり聞く人の気分に聴ける音楽は影響されますよね
コンビニでモーニング娘。は別に不愉快ではないですが
家だったらイライラするもんなあ。
それとは全く逆の意味ですが。
「ERA」はとっとこう、と私は思った。

「音楽を分かってる人が中村一義を好き」
ってムードがずっとあるじゃないですか、
でもその要素は確かに分かった。あると思います。
踏み絵のようだってどこかの雑誌で言ってたけれど、
ああ、確かに踏み絵だなあ。
でも「分かってる人」ってなんかむかつきません?(笑)

私は「中村一義は音楽をとても分かってる」
の方が分かるな。

中村一義を好き、って言える人は、3歩ぐらい、先に
(遠くに)行けると思いました。広がるよなー。
そんなアルバム。

ゲルニカがまず踏み絵かもしれないです。
あれ見て「ひっちゃかめっちゃかだなー戦争は嫌だなあ」
とかしか私は湧かないです。寂しいわ。

「ゲルニカ」聴きながらゲルニカ見ると、違うもの。
絵にこんなにつまってるんだなあ、それを感じられる人
は感じられるんだなあ、と思いました。おーう寂しいわ。
絶対音感的な、絵の見方を出来る人達が、
きっといるんでしょうね。美術館はとても騒がしいんだ
ろうな。いいな。


2002年02月18日(月)







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