今日は休暇…だよな。
　久々にどこかに出かけるでもなく、家にいさされているといっていい…こんなに休暇が苦痛なのも…はぁ…
　何とか綾瀬を外に連れ出そうとしたんだが…あいつ、変な所で頑固だよなぁ…なんか、今日は全ての事に腑に落ちない…ここで綾瀬を抱き込んでもいいんだが…この後これ以上死にたくねぇしな…只でさえこの甘い匂いに吐き気すらするのに…
　本当にもう、これからこの時期が苦痛にしかならねぇ…
　確かに、綾瀬が苦労していたからそんなに甘くはねぇんだが…チョコレート自体の味がマジで駄目な俺にはもう、１口でかなり気分が悪い…コーヒーが…こんなに美味いと思った事は始めてだ…あぁ、何だってこんな事に…
　しかも極めつけに…染矢にまで変な包み渡されるし…渡されて即ごみ箱に捨てたら、次の瞬間には綾瀬に拾われて渡された。こんな厭味が毎年…それも、今年から染矢の変な包みはごみには出来ねぇ…何とか丸め込んで、綾瀬にでも食わせよう。それが１番だ。
　とにかく、今、目の前にあるこの黒い物体をどうするかを考えねぇと…なんだか、まだキッチンから甘いに匂いが漂ってくるんだが…まさか、綾瀬のやつ楽しんでこんな事してんだろうか？まぁ、お返しはホワイトデーと今晩…随分と楽しませてもらうとするか…
　でも、夜までに…俺は生きていられるんだろうか…今だって必死に仕事をしてるふりをしてるんだが…どこまでもつか…また新しく何か持ってきやがった…逃げる手立てがどうしてここまでねぇんだよ!!