目次過去未来


2002年02月15日(金)  過去のこと

実のところ、
忘れたいと思っているんだろうか。
それとも、忘れたくないと思っているんだろうか。

時々、想う。
一部始終を忘れてしまえたら。
それは凄くラクな在り方に思える。
同時に、凄く寂しい在り方にも思える。

たとえば、理想郷と同じこと。
もしもどこかに理想郷があったとして、自分はそれに気付くだろうか。
常に存在する幸福。先には幸福しかない。
悩みも苦痛も、ない。空腹も〆切もない。嫌なことは何ひとつない。
記憶の一部は確実に抹消だ。
そんなところにある幸福を、自分は幸福と認識できるだろうか。
今と同じように、日々の「しあわせ」を感じられるだろうか。

***
それにしても、ユートピアという概念は、謎だ。
そこには、自分以外にも人が暮らしているのだろう。
人々の求めるものは、統一的なユートピアなのだろうか。
やはり、どう考えても謎だ。むしろ徒の夢か・・・理想か。

本当は苦痛である筈のものを、そう感じないだけだったら、嫌だなぁ。
***

忘れられないとわかっているから忘れたいと思っているだけなら、
それは自分や周囲に対する甘えでしかない。今は多分、甘えている。
いざ、本当に忘れてしまうとなったら、忘れたくないと思えるだろうか。

忘れたい記憶だけを忘れたとして、人はどう変わっていくんだろう。

忘れられなくてもいい、せめてもう少し離れられたら。
もう少し、自分を振り回さずにいられたら。


真 |MAIL