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2004年06月20日(日)
小さな一つの物語



無題ドキュメント




これは、ある男の失恋の物語です。

 


1年ほど前からでしょうか?


好きな人ができ、恋人となり、しばらくは幸せな生活を送っている二人。


しかし、ある日、どちらからとも無く、失恋話を持ち出し、


二人は、恋人同士から、ただの他人になりました。


 


そして、彼女は男の下を去り、男の知らない土地へと引っ越していきました。


 


男は悲しみのどん底にいます。その内、男は憎しみを持つように


なりました。彼女が不幸せになれば良いのに。


こんなに苦しんでいる自分をよそに、彼女は楽しく暮らしているのだろうか?


そんなことを考えるたびに、男の悲しみはさらに強くなったものでした。


そして、同時に彼女に対する愛情が憎悪に変わっていく悲しさも感じていました。


 


彼女がこの世から消えてしまえば、この苦しみは無くなってくれるのか?


そんなことすら考えるようになりました。


 


・・・・・・それから数ヶ月、男はまだ悲しみに囚われたままですが、


確実に一歩を踏み出し、新しい生活を始めていました。


 


そして、彼女がこの世のどこかで生きていて、幸せに生きていてくれることが、


自分にとっても幸せになることを知ったのです。


 


彼女が生きていれば、どこかでよりを戻すかもしれない、と言う小さい考えではありません。


以前、お互いの幸せが何よりも尊くて、二人でいること以外は何も望んでいませんでした。


 


その何よりも尊かった彼女が生きている。それだけで、また喜びを感じれるようになったのです。


彼女はまた別の好きな男ができて、どこかで二人で過ごしているかもしれません。


思い出の中に生きるのは嫌だけど、二人が恋人同士だったのは事実で、


その中で幸せを感じながら生きていた時間があった。それで十分です。


彼女が幸せになることを、心から願っています。


 


 


・・・・もう、思い出すのも苦労するくらいの昔の話です。


物語は、人の数だけある。これはその中の一つに過ぎないのですよね。