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2004年09月11日(土)
喪失感



無題ドキュメント




初めて、運転免許証を手にしたとき、それに写っている自分が


誇らしげであり、また嬉しそうだった。自分で自分の顔を、あれだけ


見たのは初めてだったかもしれない。


 


それから、私は免許を2回更新して、顔写真は変わった。


そこに写っている顔は、既に表情を失っていた。


 


車を運転する事が楽しくて楽しくて、運転する車があれば昼夜を問わず運転した。


ただ、免許取立ての頃は、運転する車が無く、時々レンタカーを借りては、


ほぼ24時間、運転に興じていた。


 


それから時が経ち、私は車を所有した。いつでも運転が出来る。


その気になれば、24時間と言わず、1週間でも、1ヶ月でも運転する事だって出来る。


もちろん、体力と相談する必要があるが、「目の前に自分の車がある」事は、


私が物心ついたときからの夢だった。


 


しかし、私は今、運転をしていない。それどころか、車を負担に感じるようになった。


経済的な負担はもちろんあるが、そうではない。


車があることが、鬱陶しいと感じる事が多くなった。


 


夢は叶えてしまうと、喪失感を抱いてしまうものらしい。


あれだけワクワク出来たものに対して、鬱陶しいと感じるとは、


全く予知していなかった。


 


私が再び、喜びに満ちた自分に出会える出来事は今のところ、無い。


次に免許を更新するときは、もう一度、自分の写真を眺めて喜べるような


出来事と出会いたい。