地球の走り方



八日目の蝉、読了

2011年05月08日(日)

本日、『母の日』ですね。

いつも何もしない親不孝な子ですみません。
いつだったか、母親に、「母が後20年生きたとしても、年2回しか会わないと、後40回しか会えないのだよ。」と言われて、本当に申し訳ないなと思いました。

会おうと思えばいくらでも会うことができる。
でもそう思ってなかなかわざわざ会う機会を作ることが少ない。
今年は正月もGWも海外出張だったからなぁ。
仕事を優先させてしまう自分を、ひどい人間だと思う。

「八日目の蝉(角田光代)」読了。

始まりも、終わりも、社会的に間違った行為でしかない。
不倫相手の赤ん坊を誘拐して逃げる女。不倫はあえて否定しない。でも、こんなどうしようもない男のために人生を棒に振るなんて馬鹿じゃないの。貴方ならもっと素敵な男性に出会えたでしょうよ。
こういう風に主人公が悪い場合、僕はその時点で、自業自得じゃないかと冷めてしまう。

にもかかわらず、だ。

物語は何かを訴えてくる。 主人公は犯罪を犯している。でも、今この瞬間の、二人の幸せが続いたらいいのに、と思わせられる。最後の瞬間まで、薫と希和子との時間が再び訪れないかと願ってしまった。
(いや、まあ、強いていうと、薫をもっと良い男と出会わせてやれよとは思ったが。)

人間の愛情の深さ、親子の無償の愛、みたいなものを感じさせられた一冊でした。
きっと永作さんなら、素敵な希和子を魅せてくれるのだろうな。

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由比 [MAIL]

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