ドライブに出かけた。 すがすがしい空気を吸って、とても楽しい一日だ。
こんなに楽しい時間が少しでもあると、 ネガティブな僕は、それが壊れてしまうことを 怖れてしまったりする。
昔、初めてレンタカーを借りて 箱根にドライブにいったことを思い出す。
まだ運転に不慣れだった僕は慎重に道を走らせて。
事故もなく、彼女を家に送った帰り道。 車の中に携帯電話の着信音が鳴った。
僕は目の前の信号が青になったのを確認して アクセルを踏むと同時に、 鳴っている携帯の在りかを探した。
足元に携帯は落ちていて、携帯を拾いあげようとした瞬間。
目の前の車に追突した。ゴツンって大きな音がした。
その目の前の車は、またその一つ前の車にその勢いでぶつかった。
おろおろ焦った。
事故の中、電話がまだ鳴り続けている。
電話を拾い上げる。
さっき送り届けた彼女からの電話だった。
「どうしたの?何かあった?」
「なんでもないよ。今帰り道。後で掛けなおすね」と僕は 言っていったん電話を切る。
彼女がドライブに行く前に
「もし一緒なら事故を起こして死んじゃってもいいよ」 なんて冗談を話していたのを思い出していた。
何が言いたいかというと、 今思えば、冗談でもそんなことにならなくて 良かったということ。
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