ある音楽馬鹿の徒然カキコ♪...みゅう太

 

 

ヴォーン=ウィリアムス - 2003年07月31日(木)

ヴォーン=ウィリアムスというイギリスの作曲家がいる。

1952年に死んだ人だから、そんなに古い人ではない。 (いや古いか。)
交響曲を9曲書き、オペラやら室内楽やら合唱曲やらかなりの多作家だ。


昨日、寝る時にふと
「ちょっとヴォーン=ウィリアムズでも聴いてみるか。」
と思い、(こういう時はホントにひらめきで、別に何の理由もない。)
彼の交響曲第8番を聴いてみた。

聴き始めてすぐ気が付いたのは
「あ、この曲まだ聴いてなかった…。」ということ (>y<)


イギリスというのはおかしな国で、
ロンドンはあれだけの大都市で、音楽都市としてもナンバー1にあげられるくらいの所なのに、さてどんな作曲家がいたか?という話になるとどうも心許ない。

「『威風堂々』のエルガーがいるではないか。」とか
「昔はバードから最近はウォルトン、ディーリアスまで。」
と言ってもあまり説得力がないような気がする。
ひょっとするとブリテンが一番有名なくらいかもしれない。
あの学校の教科書によくでてる、「青少年のための管弦楽入門」という、オーケストラの楽器紹介で使われる曲(ひとつひとつ楽器がでてきて同じメロディーを演奏し、最後にだんだん一緒になって思い切り盛り上がって終わる曲。)
を作曲した人だ。



で、ヴォーン=ウィリアムス。


この第8交響曲は初めて聴いたが、他の交響曲と同じで20世紀中頃に書かれたクラシックの曲とは思えないくらい、平明でわかりやすい曲だ。
でも簡単なメロディーが変な具合に絡み合っているので、全体がつかみにくいのだが。
しかし、聴きやすいことは確か。
同じ時代の前衛の人たちのように、不協和音だらけで耳が痛い、ということは全然ない。

なにより聴いていて
「あれ?ハリー・ポッター?」 「あれ?オペラ座の怪人?」
みたいな似たサウンドが続出する。
もっとも正統クラシックファンには「こんな陳腐な曲。フン!」と鼻で笑われそうだが。


しかし私はこれは日本人好みではないかな〜、と思うのだ。
絶対こういう類の曲は人気が出ると思う。
平明簡潔だが、やはり有数の作曲家の書いた音楽だ、というしっかりとした手ごたえがあるし、決して安っぽいものではないし。


でも、日本の音楽界はこういう音楽を滅多に取り上げない。
取り上げる勇気がないのだ。
「有名」でないから。

「運命」を、「新世界」を、「未完成」を演奏していればそこそこ客は来る。
挑戦、実験などしてリスクを犯す必要はない、と考えている。
そういう考えを私はイヤというほど聞かされてきたし、
かくいうウチの職場だってそうなのだ。

もちろん、これらは正真正銘紛れもない名曲であって、本当に素晴らしい音楽だ。


でももっと色々好奇心を広げて、感覚を広げていかないと人間そこで終わりだ。
商売としたって、将来首をしめることになる、と思う。


人間の感覚はどんどん変わり、時代も変わっていくんだから。




...




My追加

 

 

 

 

INDEX
past  will

Mail Home