縁側日記  林帯刀





2003年10月16日(木)  インセンス。


日暮れどき、青くなっていく障子や隠れていく景色を眺めていた。
使っていなかったベッドサイドのライトだけを点ける。
腹ばいになって本を読むのにちょうどいい。
昨日焚いたサンダルウッドの匂いは馴染んだみたいだ。
日が落ちてしまったので雨戸を閉める。
明かりはひとつだけ。
夕飯まではまだ間がある。

詩集を開く。
すこし、ちがう匂いの。

この匂いが消えるまえに、同じ香を探し出せるといいんだけど。


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