縁側日記  林帯刀





2003年11月23日(日)  干し柿。


今日は一日冷えてたね。
秋だ。


障子の向こうには吊るし柿。
秋だ。


障子に影が映ってるのは好きだ。


でも映ってるのは僕の部屋の障子だ。
そこんとこよろしく。<何





ベッドに寝そべって左向きになると、
まだ苦い柿の影が障子に並んでいるのが見える。
僕はただじっとして、
だんだんと滲んでいくそれを見ている。
あの柿に粉がふくのと、
ベッドにいる時間が元に戻るのと、
一体どっちが先だろう。
そんなことを考える。
そうじゃないことも考える。
しっかり暗くなるまで雨戸は閉めないでおこう。

生きている間には、
甘くならない苦みのほうが多いんだ、おそらく。
僕がまだ息苦しいように。


<< >>




My追加
[HOME] [MAIL]