縁側日記  林帯刀





2005年06月24日(金)  蛍。


シナプスと発光ダイオードは似ている。


*


友人と電話をする。
めずらしく。しかもながく。
(あまり長電話をしない。いつも2、3分。このときは40分)
私は話を切り上げるのが下手なんだけど、
彼女は電話を切るのが苦手らしく、
そんな二人なのでなかなか切れない。
何日かあと、別の友人からも電話。

電話ではいろいろと励まされたりする。
励ましたり元気づけたりするのが
本当に下手になってしまったので、
はがゆい。

遠く(といっても関東)の友人は風邪をひいたらしい。
彼は文章が簡潔すぎるので状況が分からない。
かといってすぐ様子見に行ける距離でもないので、
仕方なくメールを待つことにする。
治っても報告してくるかどうかが問題である。
報告ぐらいしなさい。


*


それにしても最近友人からの連絡が多い。
なぜだ。
もしかして何かあるのか。
どきどき。


*


海の底で、
水と砂の間にはさまれてしまった船。
だれかこの重たいものをどけてくれ。


*


どうも私は場所をにおいと味で覚えているらしい。
発見。
味というか、口。のあたりの感覚。
食べたものの味ではなくて。
一度行ったことがあれば、
「あ、この味(感覚)は知ってる」となるし、
場所を思い浮かべると、
風景と一緒に、なんかもやもやしたものが
口のあたりによみがえる。
自分のことながら、ちょっとおもしろい。

「池袋ウエストゲートパーク」のヒロキみたいだ。
あんなに正確でもないし記憶力もよくないけど。
自分のメアドも間違えてしまったりするけど。
(ハイフンなのかアンダーバーなのか分からなくなる)


*


一寸先に自由。


*


「海辺のカフカ」をようやく買って、読む。
こういう話は好きだな。
あの人の後日が気になる。
ナカタさんが好きだ。
職人の手をしてるのもいい。

ものづくりにはそれに適した、必要な手のかたちがあるんだよ、きっと。
スポーツ選手にもあるね。
そういう手を見るとぞくぞくする。
どうしてここにタコがあるのか。
ここの黒ずみは何のせいか。

って、手フェチ。


*


携帯電話が振動しているのかと思ったら、
ヤマバトだった。
デデッポーポー。
(この「デデ」が聞こえなかったせい)


*


蛍。
光の奥に流れている血液のようなもの。

いつしか光らなくなる。
死んだ光は暗闇になる。
夜のあいだに溶けてしまう。




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