日々日記
いちらんふるいあたらしい


2007年12月10日(月) 誰もが野蛮になりうるのが戦争

「中国平和の旅」写真集編集委員会〔編〕
「日本軍はこうして中国を侵略した」アイネック学術出版、1992.7

大学図書館の書庫に文献を取りに行ったときこの本を偶然見つけた。

これまで公の場であまり目にしたことのない写真がたくさん載ってた。

これは酷い。
惨い。
ほんとうに惨い。

戦争の、やらなきゃこっちがやられる状況下ならともかく、
これが、武器も持たないような一般市民に対してやることかしらんと、
見たあとで本当に不思議になった。

ただ命を奪うだけなら「押し鎌」で首を切る必要はないだろう。
首だけ並べて晒す必要もないだろう。

わたしは、人間は誰でも底なしの野蛮さを持っていると思う。
野蛮で、しかもそれを楽しむ命が存在すると考える。

でも平時はそれが出てこない。普通に暮らすには必要ないから。
だから、それが出てしまう様な状況を作ってはいけない。


この本によると、中国では犠牲者の骨がいっぱい見つかっている。。
鉱山の横穴みたいなとこの骨は、服も髪も残っていて
バラバラにならず骨格がミイラみたいになって繋がっていた。

それらが折り重なっているんだけど、すごい数で。
しかもミイラのようになってるから表情が見て取れる遺体もあった。

なんという惨さ。

こんだけいろいろな惨い「物証」が現地中国にあって、
虐殺はなかったとしれっと言われれば、どんだけ腹がたつことか。


本多勝一氏と、高崎隆治氏と、もうお一方の3人が、
南京大虐殺についてずっと研究をしておられると
先日大学であった講義でお聞きした。

虐殺の内容などの事実確認はほぼ済んで、あとは殺された人の
人数の確認だけなんだけど、
それだけはどうしてもはっきりできなくて、まだ長い時間がかかるか、
それとももう二度と分からないか、どちらかになるようだ。


高崎隆治氏が大学に来て講演してくださったときの言葉が
一層重みを増して迫ってくる本だった。


inu-chan