日々日記
いちらんふるいあたらしい


2008年01月26日(土) 会ったことがないのに、感極まる再会を果たした気分

たくさんの才能があり、豊かな感性があり、
小さな体からは想像もつかない行動力があり、
なんでもできるスーパーな人でありながら、
どこまでも謙虚で、内省を怠らなかった人。

その人の書いてた日記を、ご両親が一冊の本にして出版された。


じつは、
ふとしたことで彼女の存在を知ってから彼女が亡くなるまで、
ときどき彼女の日記を読ませてもらっていた。

彼女の文章が…、
とても滑らかに、そして丁寧に、読み手の深いところまで届くというか、
うまく言えないのだけど、彼女の文章はとにかくやさしいのだ。

あの滑らかで美しい文章で綴られる、
等身大の悩みや意見に、そして彼女の人となりに、
わたしは幾度となく勇気づけられた。

亡くなったとき、ああもうあの素敵な文章が
新しく綴られることは二度とないのだと思ったらいたたまれなかった。

今なお、わたしは全身全霊でその死を惜しむし、
彼女がもうどこにもいないことがとても悲しい。

その後もずっと、会ったことがないのに、
彼女はわたしの心の中に居続け、ふとしたときに現れる。

だから今回
彼女の文章たちが作品集になったことがすごくすごく嬉しい。

この本は、これから生涯にわたってわたしの傍らにあり続け、
どこで暮らすことになっても一緒に行くことになるだろう。

悲しみの中、本を編集してくださったご両親に、
心より感謝申し上げます。

ぜひみなさんも手に取って読んでもらいたいです。

彼女自身がほんとうに素敵。
すっごくチャーミングなひとなんだ。





小山田咲子著 
「えいやっ!と飛び出すあの一瞬を愛してる」
海鳥社 2007 


inu-chan