日々日記
いちらん…ふるい…あたらしい
通学のバスから見る風景に、アメリカオニアザミがこんもり茂った一角がある。
そこは道路を2車線から4車線にするために確保された用地のようで、 畳2畳分の土地の周囲が真新しいフェンスで囲まれているのだけど、
そのたった2畳の面積の全部がアメリカオニアザミで占拠されており、 さらにわたしの身長(訳156センチ)を超える高さまで茂っているのだよ!!
もともと何株生えてるのかは定かではない。
そのちょっとした「アザミの小山」は、、早春からつい最近までの間、 見るたびに大きくなっていった。
そしていつしか枝の先端に確認できるようになったつぼみが、 またさらにどんどん大きくなって行くのだった。
もちろん、彼らアメリカ仕込みだけあってチクチク具合もハンパない。
アメリカオニアザミを見てから見る日本産のアザミの、なんとかわいいことよ。
でもアザミの醍醐味はやはり緑と紫のコントラスト。 日本産も、アメリカ産も、それぞれすごく美しい。
アメリカオニアザミはちょっとシルバーがかったトゲトゲの茎葉から、ある日、 ピンク寄りの赤紫色の花を咲かせる。
チクチクして人を寄せ付け難いなんてとんでもない。 わたしはいつもふらふらと吸い寄せられて、まじまじと観察してしまう。
カメラがあれば接近して刺や花や葉の写真を撮る。 撮った写真をデスクトップピクチャにしたり、プリントして飾る。
そのアメリカオニアザミの小山が、先日あっさりとなくなった。 道路の拡張工事が始まったのだ。
朝バスに乗った時は生えていたアザミが、夕方帰りのバスから見たら消えていた。
無数のつぼみが来るべき開花に備えて待機していたであろうに。ああ無情。
あんなに茂っていたアザミはきれいに刈り取られており、 地面には生えていた痕跡すら残されていなかった。
アザミは草だから仕方ない。 でも、もう少しであの小山が赤紫の花でいっぱいになるって時だったから、悲しかった。
あんまり悲しくてちょびっと泣いたわー。
inu-chan
|