日々日記
いちらんふるいあたらしい


2009年10月08日(木) 回復にかけたお金800円。その見返りプライスレス。

台風一過。

昨日から降り続いた雨も、明け方まで唸っていた風も、
まるで嘘だったかのように、すっきりと美しく晴れ上がった午後。

汗ばむほどの日差しにくらくらしながら家を出発。


火曜日からどうにも気持ちが落ち込んで浮上しないので、
このままではいかんと思って散歩に出た次第。


魔の火曜。ゼミの日。確かに褒められるような発表ではなかった。
でも今の私にはあれしか作れんかったとよ!!

それをちくちく言われてもー!つーかボスはそれをちくちく言うのが仕事なんだよね!!!

そんなのわかってるさ。オイラはへっぽこ野郎さ。
まったくもっていい仕事できてなかったさ。

そこから、木曜日の昼まで、もう全然気持ちが上がってこない。
「存在の全否定」級の打撃。

それ以来、自分のあまりの弱りっぷりにおののきつつ、
なんとかして吹っ切らねば!とも思っておったとですよ。

そんでー、
生存のために、
わたしという人間の存在をまず自分が肯定するために、一回居直ることにした!

次に発表するときは、今回よりもマシになっとけばいーの。

とか思ううちに、このまま家の中で引きこもっていては駄目だと思い
お散歩先を検索。

一ヶ月のうちで最もお金がない時期なので、無料で入れて往復800円で行って来れる
東京都薬用植物園に行ってきた。

台風の強風により、多くの植物たちの姿が乱れに乱れていた。

最近多くのご家庭の庭で見かけて「なにこれ!たぶんダリアだな」と思ってた植物が
生えていたので、バシャバシャと激写した。

2メートル以上の高さに成長するその植物はやっぱりダリアで、
コダチダリア、あるいはコウテイダリアと呼ばれてた。

あんまりにも激写しているので、通りかかった管理のおじさんが、
「台風の風でボキボキと5本も折れちゃったんだよ〜」と、話しかけてくれた。

「まぁ、もったいないですねぇ。でもこんなに背が高いと無理もないですねぇ」と立ち話。

「これだけ大きいと、花が咲くまで随分時間がかかりますよね」
「そうなんだよ。11月くらいになるね。でもその頃ってもう霜が降りるでしょ」
「ああ、それは管理が難しいですね。最悪花が見れない…」
「そうなんだよ。だから、植えてから嫌になる人が結構多いんだよ」

かわいそうなダリア…。ダリアは悪くない。

ああそういやぁ、日本のダリアの父と呼ばれるおじいさんの畑にも
一回行ってみたかったんだっけなぁ。とかもう思い馳せまくり。
アドレナリン出まくり。

おじさんが行ってしまってから、おもむろに近づいた2重の檻に入った植物。

アサ。麻。大麻草ですよー。わー、初めて現物見た。
それにしてもなんて厳重に封鎖された圃場でしょう。

監視カメラまである。


すぐそばにケナフが植えてあって、そっちは檻がないのでよく見比べることができた。
ああ、全然違うわ。
麻は明らかに麻、ケナフはケナフ。

そんで、なんかパンフレット片手に植物の名前を照合してたおじさんが
「この植物はなんていうの?文字が見えなくて」と言うので
「麻です。大麻ですよ」と教えてあげた。

確かに、植物体の名札も檻の中にあり、しかも枝で隠れてて読みにくい。
つか、読ませる気がはなからない感じ。

檻の中には植物体が植わってないスペースがかなりあったので、
春はここに「シロウトが栽培してはいけないケシ」がいっぱい生えてるんだろうな。


そんで、薬用植物や有用植物を見て、エンジュの実とか、アメリカハナミズキの赤い実とか、
むっちむちに肥えたナツメの実とかがいっぱい落ちてたから、

地面で西日浴びて光ってるそれらの実を「テラシュールwww」と思いながら激写してた。


園内はキンモクセイの香りがただよい、それが今日はいつにも増して濃厚で、
木の側にいると体に染み付きそうだった。でもそれがすごく心地よかった。

人が選抜してきた園芸植物とはいえ、花が香るのは
花そのものが持つシステムによるものだから。

その花の営み自体が、たまらなくいい。無条件で大好き。


そして今日は、秋空の水色と、少し黄色がかった夕方の光の色と、紅葉まではいかないけど
一時より緑の濃さが衰えはじめた木々の葉っぱのコントラストがこれまた絶妙で、

あんまりきれいだったから、
ずっとずっと空とか高い梢を見てた。アホだと思われたかもしれない。

そして、植物園を後にした。まんぞくまんぞく。

あれ、午前中よりだんぜん元気になったー。


inu-chan