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| 2005年03月08日(火) ■ |
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| 君に会いたくなったら |
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昼下がりの喫茶店。ちょうどカップルが出て行ったあとで、誰もいない店内である。 僕が店長と談笑しながら洗い物や床掃除をしていた所に、一組の男女が店にやってきた。 「いらっしゃいませ」 と顔をあげて、僕はおや、と思った。 入ってきた男女の、女性の方は僕の彼女だ。すると男のほうは……。 視線を移動させて、僕は驚いた。男は、あのジャイアント馬場だったのである。 二人は僕に気付かないふうで、いかにも仲が良さそうに談笑している。 これは、浮気現場を押さえたということなのだろうか。 それにしたってジャイアント馬場とは。ここはサインでも貰っておくべきなんだろうか。 いぶかしげに思いながらも、僕が二人のテーブルへ水とメニューを運ぼうとしたときだった。 店のドアが乱暴に蹴り開けられ、一人の男が入ってきた。 「このポンキチ野郎、オレのKちゃんに何しとんのじゃ!」 と言う乱入男。よく見ると、アントニオ猪木である。 「ふざけるな。Kちゃんはオレんだヌガーチョコ野郎」 上着を脱ぎ捨て、ファイティングポーズをとる馬場。完全に闘る気である。 かくして、僕の彼女をめぐって店内では往年の二大スターによる対決が始まった。 格闘技ファンなら涙を流して喜ぶのだろうが、あいにく僕にそういう趣味はない。 それより、この戦いが彼女をめぐる戦いならば、僕も戦いに加わるべきなのだろうか。 さっぱり状況がつかめないが、とりあえず店のためにも収めないとな。 そう思って戦う男たちのもとへ行くと、馬場が 「貴様がゆうか!」 と言って僕に16文キックを浴びせてきた。 彼女は吹っ飛ぶ僕を見て、穏やかな笑みを浮かべつつ僕を応援しているのだった。
「……っていう夢を見たんだわ」 今日は大学の友達と集まって、近くの喫茶店でおしゃべりをしていたのですが、夢の話題になったのでこんな話をしました。 みんな彼女のほうを見て、ゆうに構ってあげないからだ、だの、無意識のうちに強いものに憧れているんだ、だのなんだのと盛り上がっています。 ていうかJさんに言って夢分析してもらえば、と言う冷静なやつもいました。
彼女は満面の笑みで 「欲求不満なんだね」 と自分に耳打ちし、なぜだか今度の休みに映画を観に行くことになりました。 なんだかよくわからないけれども穏やかな休日の昼下がりでした。
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