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熱血青春日記(癒し系)
ゆう
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2005年05月31日(火)
対人恐怖


 演習室で勉強していると急に空腹を覚えたため、大学近くのショッピング・モールへ行きました。
 おにぎりの専門店で20円引きセールをやっているのですが、一向に客が来ていない様子。
 そりゃ、20円ひかれたとしても元が高すぎるから仕方ねえよなあと思って通り過ぎようとしたのですが、バイトらしき女の子が
 「今日お安くなってますよー。いかかですかぁー……」
 と切なげに訴え続けているので、見捨てるわけにはいきませんでした(駄)

 190円のエビカツ太巻きを購入し、さて大学に戻るかと店を出ると、広場のベンチに見たことのある男軍団がいる。
 うちの大学の心理専攻二年の男どもで、タバコをふかしてだべってました。
 なんとなくそっちの輪に入っておしゃべりしていると、突然
 「おい、ゆう。俺はお前に言いたいことがある」
 と、中の一人が自分に名指ししてきました。うわ、酒臭せ。飲んでるなこいつ(´Д`;)

友人 「お前は大学に彼女いるんだろう」
ゆう 「まあ、一応」
友人 「専攻は」
ゆう 「同じだよ。臨床心理」
友人 「なぜいちゃいちゃしない!」

 はい?(-_-;)

友人 「お前、一体誰と付き合っているのかわからないんだよ! もっと彼女に構ってやれよ! 何故彼女を放置するんだ!」

 と、なにやらこの酔っ払いはご立腹の様子。
 とりあえず恋人を放置しているのは僕じゃなくて彼女のほうなのだが、確かに自分から話し掛けたりもしないのも事実。
 なんだか恥ずかしいというのもあるし、それは認めよう。だが、僕は何を隠そう対人恐怖の気があるのだ。
 医者の不養生というべきか、カウンセラが対人恐怖とは何事と思うかもしれないが、そうなのだ。
 だから決して自分から人に話し掛けたりしない。
 講義室やサークルの稽古場のドアを開けるとき、僕がどれほどの勇気と決意を持ってドアノブを廻すのか君にはわかるだろうか。
 こうやってお腹がすいたからとおにぎりを買うだけでも、僕にとっては一大決心なのである。
 病気とは言わないが、とにかく話し掛けてくれるなら幾らでも返事はすれども、自分から働きかけることはできない。
 とりわけ集団の中に身を置くのはものすごい勇気がいるものなのだ。
 あんなに仲のいいサークルにいてさえ、たまに恐怖を覚えることもあるのだ。
 自分が向いてもいない芝居などやっているのは、それを何とか直せないかと思っていることもあるのだ。

 ということを説明しても、やはりわかってはもらえない。
 それどころか、学校では自分とFが付き合っているというウワサまであるらしい。
 冗談ではない。確かに毎日大学で追い掛け回されているから、そう見えても仕方ないかもしれない。
 だがさっきも言ったとおり、僕の行動をちゃんと分析してみたまえ。
 Fから話し掛けるのが100%という数値が出るだろう。
 僕からは絶対に話し掛けたりしない。恋人や親でさえ恐怖の対象になりうるのだから。ならないのはウチの犬だけ。


 そんな話を女子軍団も聞いたのか、そう言えば、ゆうは無口だと口々に言い出す。
 日記を読んでいる人はわからないかもしれない。
 実際に会ってみても、おしゃべりな男と思うかもしれないが、本質的には無口である。
 病んでると連中が口々に言うので
「だから、心理学を学ぼうとする奴なんて、どこかしら病んでるんだよ!」
 と反論すると、たまたま通りかかった教授が聞いており
「そのとおりだ、ゆう君」
 と賛同してくださいました。そうなんだよ。