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熱血青春日記(癒し系)
ゆう
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2005年12月24日(土)
「えらい」人。

 頭痛くてしょうがない。

 昨日は帰ってきてから寝ようと思ったんですが、なんだか太陽がさんさんと降り注いでいるので眩しくて寝られない。部屋でカーテン締め切って、つまらないテレビでも見てたら途中で寝てしまうだろうと思って適当にテレビつけたんですけど、やってた番組がアキバ特集だかなんだかで、ああ、これなら速攻寝られるなと思っていたんですけれども、内容がなまいきなねーちゃんが社会を知るみたいな感じで、なんだか意外とおもしろくて結局見てしまった。

 メイド喫茶ってものすごく大変な仕事だと思うんですよ。知り合いのキャバ嬢お姉さんやホスト兄さんだって、この仕事って大変なのよって力説してたけれども、それに匹敵するんじゃないかな。キャバクラはお酒が入るからふっきれるっていうか、勢いに乗れるけれども、アレは素面でご主人様とか言わなきゃいけないんだぜ。並大抵の精神力じゃねえなと思って半ば尊敬の眼差しを向けていたんですが、本人たちは意外と楽しそうでした。そういうもんか。

 うちの近くに昔の同級生が働いているローストビーフ専門店があるんだけども、あそこも接客が行き届いている店なのね。クリスマスが近いからサンタの格好をして、「じゃーん! カリカリチキンでーえす」みたいな。20日に彼女とそこ行ったんだけど、おれは同級生を尊敬したな。これ見よがしに何度も僕らのテーブルに来ては何やら水注ぐだのなんだのしてったけど。最初顔隠してわからないようにしてたんだけど、彼女が「もう絶対バレてるからあきらめなさい」って言うんで同級生のがんばりを見守ってたんですけどね。隣の客のパソコンがどうとかいう話にも笑顔で付き合ってあげたり。すげえな。塾講師なんてやっているとサービス精神というものが養われなくていかん。「先生」という肩書きだけで尊敬されてしまう仕事だから、もっと自分を鍛えなければ。社長の言っていた『サービス哲学』というやつだ。


 で、眠れないまま友人の誘いにのって遊びに出かけて、カラオケなんぞ歌っておったら、次の日、つまり今日になってものすごい痛みが。もう安静っていう医者の言葉はどこへやら。録画しておいた「芸能人の寿命宣告スペシャル」とかいうのを見てたらだんだん怖くなってきたよ。本当はアドバイスする側の人間が何をしておるのか。まさしく医者の不養生だ。関係ないけど、あれの精神科の先生の見解は甚だ疑問というか、間違っていると思うんだけどな。まあ、精神分析学には詳しくないからなんともいえないが。


 薬を飲んで一日中寝ていたら結構収まってきたけど、対症療法だから治ったわけじゃないし、大人しくして無きゃなあと思うんだけど、あいにく明日からは5日連続で徹夜の日々だな。よく眠れるようにと知り合いの店で500円引きだったボジョレーヌーヴォなんぞ買ってきて飲んでいたら、また頭が痛み出したし。
 反省して、HPあたりで健康情報をまとめたりしようかしら。その常識間違っていますよ、みたいな。

 健康に生きるためにはまず今の仕事を辞めるべきだと思うよってツッコミが一斉に入ると思うんですが。何でそんなに働いてるのって彼女はいつも怒るんですが、この仕事、楽にやろうと思えばいくらでも楽に出来るんですよ。手を抜きまくれば時給のむちゃくちゃたかい楽な仕事になる。家庭教師にしろ、塾講師にしろ、そんなもんですよ。楽しようと思えばホントに楽。
 でも、きちんとやろうと思えば思うほどものすごくキツく辛くなっていくわけで、たとえば「動詞ってなんですか」状態のやつを第一志望に入れてやろうと思ったら、まず講師が相当な努力をしなければならない。わかりやすい指導法を開発したり、限られた時間をどう使うか、といったことに頭を悩ませて教案を何度も書き直したり、高校や大学の入試傾向を調べ尽くしたり、勉強以外にも年賀状を書いたり、必勝祈願のお参りに行ったりと、指導時間の何十倍もの“残業”がある。

 去年、塾講師とは別に家庭教師もやっていたんですよ。まあ、カテキョならみんな楽だって言うし、塾講師の合間に出来るだろうと思ってね。ところがどっこい、生徒がものすごかった。勉強を15年間まともにしたことが無いという。個人契約の家庭教師だから、正直お母さんには
「はっきり言って札幌市内にこの子が入れる高校はありませんよ」
 と初日に告げたくらい。トライアルテストを受けてもらっても結果は同じ。高卒資格ほしけりゃ大検しかないね、と言っていたんだけれども、第一志望は協議の結果、学区内で中堅校。大人しい性格の子だから、下のレベルの高校を受験すれば、あそこの学校は荒れているっていうからきっとついていけないと思うんですと親も言う。
 レベルを下げて安全圏を受験させるのは楽だし、安心だけど、行きたいところでやりたいことをやらなきゃあ、高校なんて行かないほうがいいんだよ。そこからはもう嵐のような日々。塾にも望みどおりの高校に行かせなきゃならないやつらがいるからそっちもそっちで大変だし、もうそろそろ死ぬかなくらいに働いたもんだ。
 途中からはもう、契約なんて関係ねえ、1コマ90分の約束は止めにして、おれはお前がこの問題を解けるようになるまで帰らねえ、ともう居座り続けてスパルタ教育。
 こんだけやって、家庭教師の方は一ヶ月一万円で引き受けてました。指導時間は「終わるまで」、科目は5教科。途中から、国語は問題ないからとほかの科目の時間に回したけど。本来集団指導の先生を独り占めするというのは、塾だったらものすげー高い金額になるんだけども、一万ってのはもうボランティアだねと同僚には笑われていたけど、“先生”っていうのはものすごい仕事なんだ。だから先生は「えらい」。えらいっていうのは「しんどい」という意味の方言で、いつも「えらい、えらい」と疲れた顔をしているから「えらい人」。えらい人はちゃんとがんばって立派だってんで、それが、今の「えらい人=偉い」という意味に変わったのだ。だから、教師は「先生」と呼ばれる。どこぞの家庭教師の宣伝でやっているけど、「家庭教師は楽」なんて言っているうちは「先生」なんて呼ばれないよね。「先生」=「勉強を教える人」じゃあないんだって。その後の人生に関わることなんだ。「先生」と呼ばれる職業を考えて見るといい。医者、弁護士、作家、政治家、教職。多かれ少なかれ、人の人生に関与する職業だ。家庭教師にしろ塾講師にしろ、サービス精神を持たなけりゃあならない。そんなわけで、「先生」は楽じゃない。


 去年のことがあってから、家庭教師の依頼が結構な数来てるんですけど、もうしんどすぎて全てお断りさせていただいてます。仕事人間って僕みたいなやつのことを言うんだろうなあ。僕はほんとに「えらい」。うん偉い。天才。




 ……生徒もそこんとこ、も少しわかってくれたらなあ。