詩のような 世界

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2001年11月26日(月) his doll


人形のように
いつもどんな時も笑みを絶やさず
優雅に振舞う私を
貴方は満足そうに眺めていた
まるで私の全てを悟ったような顔をして


貴方がくれたゴールドのバングルを
1度も身に付けなかった私
それを黙って受け流した貴方


貴方は優しい人ね
貴方は優しい人ね


私も何も言わずにそこに居ればよかったし
貴方は言葉の無い時間を大切にする
本当は不安でちぎれそうな感情が流れ出すことを
異常に恐れていた


貴方が沈黙を好んだこと
私が人形に成り下がったこと
違うようで同じ
きっと最初からわかっていた


貴方は優しい人ね


だから私は息をしてはならなかった
血の通う剥き出しの心に蓋をして
冷たい陶器のような笑顔を
武器にするしかなかった






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