詩のような 世界

目次


2002年03月19日(火)




等身大鏡に手を当てて

冷たい感触を確かめる


鏡の中には

居るはずのない貴方が

悲しそうな目で私を見ている


私は貴方にいろいろと問いかけるけれど

貴方は涙をこらえるように俯くだけ

私は罪悪感を覚え口を閉ざす


鏡に額をつけ

貴方の体温を感じようとしても

私にそんな資格はないとでも言うように

貴方は私からどんどん遠ざかっていく


それでも私は泣けなかった


こんな表情のない女に

貴方が愛想を尽かすのも当然ね



鏡の中には1人残された無様な私が

まるで捨てられた猫のように

どうすることもできずに立っていた








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