詩のような 世界
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僕は何もできないから
フローリングの床に座り込んで
狭い宙を眺めていた
身体は石のように重く動かなくて
空しい静寂だけが増すばかり
狭い宙は更にどんどん狭くなっていく
なぜ何も聞こえないのだろう
窓の外は昼間なのに真っ暗で
人々はどうやって歩いているのか解らなかった
手のひらが乾き始めて
耳たぶがじんじん痛み
ここに僕はいるのかと疑問に思う
外の闇が部屋の中に入り込んできた
天井は徐々に低くなってくる
僕はこのまま飲み込まれるだろう
誰にも知られることなく
誰の呼び声も耳に入ることなく
僕はこのまま宙に取り込まれるだろう
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