詩のような 世界

目次


2002年04月02日(火)




僕は何もできないから

フローリングの床に座り込んで

狭い宙を眺めていた


身体は石のように重く動かなくて

空しい静寂だけが増すばかり

狭い宙は更にどんどん狭くなっていく


なぜ何も聞こえないのだろう

窓の外は昼間なのに真っ暗で

人々はどうやって歩いているのか解らなかった


手のひらが乾き始めて

耳たぶがじんじん痛み

ここに僕はいるのかと疑問に思う


外の闇が部屋の中に入り込んできた

天井は徐々に低くなってくる

僕はこのまま飲み込まれるだろう


誰にも知られることなく

誰の呼び声も耳に入ることなく


僕はこのまま宙に取り込まれるだろう







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