詩のような 世界

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2002年08月29日(木) 曖昧な足元



水飲み場で手を洗った後の子供のように
両手をパタパタ振ると
大切に守ってきた感情など簡単に滑り落ちた

そうだ
すべては灰色の欠片から成り立っている
嘘も本当も
言葉という表面でだけ存在している

何もかも中間
結果は曖昧



目の前に道はなく
後ろを振り返ってもまた同じ

僕はうまくバランスを取ろうとして失敗し
崖から足を踏み外した
命綱が腰に巻きついていることなどすっかり忘れ
意識だけがまっさかさまに転落していく
僕は胸の前で手を交差させる
まさに今、笑えたらいいのに
とふんわり思った


待ち受ける静寂に耳を澄ます






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