詩のような 世界
目次|←|→
「愛しています」
そう言った途端 愛は現実味を帯び うそ臭さを運んできてしまった
なくしてはいけないものが見つからなくて 鞄の中を手当たり次第に探していたら 実はただ引っ掻き回していただけだった という衝撃的だがありがちな事実
あなたがいないと生きている気がしない= あなたがいないと僕の生活が乾いてしまう= 僕のためにあなたが存在する必要がある
愛?愛?愛?愛?愛?愛?
独りだということを悟るのが怖いんです と告白するマネキン 温もりを求めているが どんな綺麗な服で着飾っても その体は冷たく硬いままだ
わからない、という愛の真実を受け入れられず 本の謳い文句や誰かの思想に惑わされる 楽ではあるけれど踊らされてしまう
どうせなら自由に舞えばいい 「愛」を頼れなくなったなら まるで取り残されたかのような顔をしてまで 愛している、などと言わなくてもいいのだから
|