狭 い 行 動 範 囲

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★短編小説13 - 2004年03月14日(日)






[ 距 離 ]




桜木が気になり始めて、よく考える事がある。


前からなんとなくだけど、主将の妹は、俺に気があるらしい。
桜木は主将の妹に気があって。
俺はそんな桜木に気がある。

どうしようもない一方通行だ。


だけどたまに、あの女が桜木のことを好きになったらどうしようと、思う。


妙は不安だった。


桜木の、あのバカみたいな明るさとか。
女に対しての妙な優しさとか。

そういうのに、あの女が気付いたら、きっと。
あの女は、桜木の所に行くに違いない。

俺みたいなつまんねぇー男よりも。
優しい男の方が、女は嬉しいに決まってる。



不安は募って。



自分に対して冷たい桜木と、アイツに対して優しい桜木の、その差に。
妙に苛立ちとか、悲しさとか、悔しさとか感じて。
でも、自分は男だし。
男が女に勝てるワケねぇーし。
とか思って。


そのうちアイツ以外の女が出てくるかもしんねぇーし。
そしたら俺の知らない女と付き合うかもしんねぇーし。

俺の知らない女と。
嬉しそうに笑ったり。
楽しそうに生きて。
キスしたりセックスしたり。



自分がそんな事考えてるって思うと、なんかそれだけで自分が嫌になって。

どうしようもない気持ちになる。




俺はどうしたらいいんだろ、とか。
答えも出ないような事を、ずっと考えてる。



バカみてー。









end






中学上がりたてで、そうすぐには大人になれないと思う。
当たり前のことが認められなくて、妙な嫉妬したりして。
そういう感じが、伝えたかったんだけど…。


それにしても、女々しいなぁ。






...

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