36℃

2002年08月29日(木) あなたに。

解っていながら秘密にしていた事。

違う。
言い出せなかった事なのかもしれない。

言い出せなかった、傷。
あたしは傷だらけだ
きっとずっとそう思ってた。

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あたしが打った
何気ない1通のメール。
ずっと前にあなたに貰ったまま、
返信しないままになっていたメールの返事を
突然出したくなって。
PCから送ればきっと
今のアタシタチはなかったよね。きっと。

ふいに携帯を手に取って。
チャットみたいになっちゃった携帯メールに

『よかったら電話して』

と言ってくれたあなた。
何の疑いも迷いもなく電話したあたし。

『寝ちゃった男と女の会話だよ(笑)』

そうだね、1年前に一回、
しかもあんなちょっとの時間会っただけなのに
あんなに自然に話して。

『会ったら絶対寝るね、この2人(笑)』

会う約束をして。
ちょっとドキドキしながらもでも自然に会って。
自然にキスをして
自然に抱き合って。

『誰か』でも良かったのかもしれないって思う?
思わない。
『誰か』はあなたじゃなきゃ
あたしの今は在り得なかった。
今のあたしは在り得なかった。
『誰か』があたしだったから
今のあなたがここにいて
あなたの今がここに在る。
そうだよね。

あの頃。
本当にいっぱいいっぱい
いろいろいろいろ話したよね。
ふざけてみたり、真面目になってみたり。
男と女とかそれだけじゃなくて。

それから
逢う度自然に身体を重ねて
でも絶対それだけじゃなくて
それだけじゃない自分を見つけて
初めて動き出す自分の気持ちに
戸惑いを覚えながら

でもソレは当たり前の顔をして
ソコに在ったから。
あたしという人間が
あなたを必要としていたから。
あなたじゃなきゃ駄目なんだって思ってしまったから。

でも
遠い目をするあなたを見ているうちに
あなたの傍にいてはいけないんじゃないか?
そう感じ始めて
あなたが望むのなら
あなたの事を思うのであれば
こんな傷だらけの
こんなあたしは
あなたから離れなくてはいけないんだと
ちょっと思ってすごく傷ついて。

でも
思えば思うほど
想えば想うほど
頭とは裏腹に
気持ちと身体は
あなたに惹かれて。

コントロールの効かなくなった自分を
押さえきれなくて
ありったけの言葉をぶつけて
あなたを傷つけた。

ごめんね。
ごめんね。
でもだから今がある。



あの時感じたこと
今も変わらず思っているよ。

『あなたの子供を産みたい』

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逢えない日が続いて
もっとあなたの近くにいきたくて
あなたを想う度
想うほど想うほど
其処が痛んで
その痛みが其処から溢れ出して
どうにも出来なくて
こんなにあなたを想うあたしがいるのに
何故か其処だけがあたしじゃない気がして

ある日あたしは
ソレをあたしという人間から
引き剥がそうとした。
血まみれになった。
カッターで何回も切り刻んで
その文字が見えなくなるまで
見えなくなっても
何回も何回も切った。

…言い出せなかった。
こんなにも全部をさらけ出しているようで、
でもこれだけはあなたに言えなかった。
吐き出せなかった。
きっと知っている筈だと思っていたから
余計に言えなくなっていた。

傷は消えなかった…。





『そのブレスレットの下に何があるか知ってるよ』





あなたの優しさがあたしの上に降り注ぐ



その一言で
あなたのそのたった一言で
すべてが救われた気がした。

声を出して泣いた。
今は泣いてもいいよと言っている様で。
あなたは電話の向こうだったけれど、
あたしはあなたの胸にすがって泣いた。

あんなに切り刻んでも消えなかった傷が
その瞬間に、すっと消えてゆく気がした。

あなたがそこにいるだけで
あなたがここにいてくれるだけで
あたしは何倍も何十倍も
優しく強くなれる
そう思った。


あたしもあなたのそれになりたい。
それでありたい。




あなたの
優しさ全てが
あなたそのものが
あたしの体中に
沁みわたっていきます。

昌孝
あなたがここにいてくれて
本当に良かった。

あなたを
諦めなくて
本当に良かった。



あなたに逢えて良かった。
これからも。


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nina [MAIL] [HOMEPAGE]

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