TENSEI塵語

2008年11月19日(水) 「・・しかできない」自由

昨日は昼から会議のために何と豊橋まで出張。
順調な乗り換えでも片道2時間ちょっとかかった。
2時間ほどの会議のための半日出張としてはあまりに遠すぎる。

1時間以上電車に乗ることになるからと、鞄に入れたのは
「ノルウェーの森」、、これはちょっと前に
何回目かの読み返しに入ったのだけれど、
下巻の最初のあたりまで読んでそのままになっていた。
いろいろとやることがあったので、なかなか読めずにいた。

時間さえ確保できれば、ついつい読み進めてしまう作品だ。
もう、とにかく小林緑ちゃんとワタナベくんの会話がおかしくて、
電車の中でもどこでも吹き出してしまったりする。
(幸い、その部分を読んでるころは空いていて近くに人はいなかったので
 ちょっと不気味で滑稽な姿を人に見られないで済んだはずだ)
不可思議な人格の直子ちゃんも、レイコさんも魅力的だし。。
たいへん集中して読み進めることができた。
近くの席の若者2人がやたらとバカ笑いしながら騒いでうるさい時は
iPod のイヤホンで耳を塞いでWithin Temptation を流して。。。
帰りの電車が駅に着くまでにしっかり読み終えることができた。

こういう場合、「・・しかできない」というのはありがたいものだ。
ふだんは、あれもやらなきゃこれもやらなきゃ、、という観念に
振り回されてしまっている。
選択の自由は保たれているが、その割には囚われの身の感じだ。
自由になる時間が短いのに選択肢が多いから、案外自由でない。
やりたくてもやれないまま何日も放ってしまう選択肢もある。
おまけに、仕事もいくつか抱えていたりすると、
優先順位は仕事が上位に入るから、自由な選択は一層つらいものになる。

だから、こういう「・・しかできない」はありがたいのだ。
電車の中では、読書でもするしかなかった。
それは、読書以外の選択肢からまったく自由になれたということだ。
実際、心が、とても自由な時間を過ごせた、と実感していた。


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