一平さんの隠し味
尼崎の「グリル一平」のマスターが、カウンター越しに語ります。
目 次|過 去|未 来
その10
オルテガのお誘いも、丁重にお断りして、寮に帰ろうとしたら、オルテガの言いつけで、剃り込みと、 四本指が寮まで送ってくれた・・・当時、東映のヤクザ映画の全盛期、映画の煽りを受けてか・・・ 「兄貴!」・・・・・・・(年もそんなに変わらへんやん!)
「人目もあるから、その呼び名はやめてくれる!まだまだ僕も君らといっしょで、修業の身やから・・・」
「すんまへん!じゃー兄さんって事で、」
「ダメ!名前を呼んで!佐藤君って」
「ええ!それは、チョッとヤクザの世界では・・・」
「いや!僕はヤクザじゃないし!」・・・・・「自分らはどうしてこの世界に入ったん?」
剃り込み〜「尼の県立高校出て会社に入ったけど、上司とけんかして・・・家でブラブラしてる時に、 映画で(高倉 健)を観て、これや!って」
四本指〜「三田の大きな農家の長男で、朝、早いのがイヤで家出して、尼で(高倉 健)の映画を観て、 この人の世界へと思った」と・・・
この二人の話を聞いて、当時十八歳の私は、あまりにも私の貧乏な田舎の話しはしたくないと思った、そして・・・若かったのでしょ!この二人には絶対!負けたくないって、思ったものでした・・・
次は・・・また今度・・・
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