一平さんの隠し味
尼崎の「グリル一平」のマスターが、カウンター越しに語ります。


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2003年08月08日(金) その22


その22

外の方で何か騒がしく・・・


足長さんの店から斜め前のパーマ屋さんの方を見ると、オルテガさんが立つていた、
そのオルテガさんの大きな体に隠れるようにパーマ屋のママがペコペコと頭を
地面につくほどに下げていた・・・・(何故か気持ちが良くて、すーっとした)
大きな声で、オルテガさんが言っていた、



「そんなに人間!欲張っちゃいけねーよ!人という字があるだろうが、あの字を見てみろ
 支えあって人という字ができてるんとちがうんか!あんたも見習いの頃が、あっただろうが、その頃の自分を支えた人のことを忘れたら、あかんのとちゃうか!勝手に店が、
大きくなったんじゃないだろうが!弱いものいじめをすな!あの子だって一生懸命
働いてるだろうが・・・助けてやれよ!・・・育ててやれよ!・・・」



それを聞いてた足長さんが・・・僕をさけるように横を向いて泣いていた・・・

オルテガさんて・・・さすが親分だ・・・そんな事を感じた私もちょうど20歳でした。

 ネオンも消えた街の奥から・・・あの二人がクラブのママを連れて帰ってきた

        
           

           また・・・次の日・・・
                  



                       


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