一平さんの隠し味
尼崎の「グリル一平」のマスターが、カウンター越しに語ります。


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2003年11月07日(金) その38



その38

大将の話しは続きます・・・

「金があるときは、赤い焼きそばに、汁を付けてもらうんや!」・・・・(ん!・・・汁?)

後ろから、また筋肉マンが・・・

「汁って?なんですの?」

大将が後ろの連中をバカにしたように、

「おまえらは、こんなええもんをしらんやろ!これがまた美味いんや!」

「ちょっと、あかぬけた、じょうひんな味や!おまえらには合わへん!」

筋肉マンが手に持っていたダンベルを置いて、むっ、とした顔をして、

「それって、胡椒とか小さいパンの揚げたのが浮いてるやつですか・・・?」

「大将!それね・・・スープって言いますねん!汁って何んですの?」

大将!おおきな声で!

「汁や!しるや!アホか!焼きそばに汁や!なに言うとんねん・・・」・・・・・(こわ!)

うしろの全員が大将を囲むように・・・、

「いつもカウンターで、そうやって注文してはるんですか?」

大将は鼻息が荒くなり、大きな頭を左右に振りながら奥のカーテンの中に消えていった。

筋肉マンたちが小さい声で・・・、

「汁やて!ううううう、腹がさけそうや!その店、行ってみよーや!」


         またこの次


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