突然悲しくなった。 そうなったきっかけは単純で、 これまでのいろいろなことを思い出したから。
たとえば、 早く結婚して、子供いっぱい産みなよ、 といつも言っていた祖母のこと。 私が一人っ子だから、親がいなくなった後 ひとりぼっちで寂しいから、と。 いっぱい子供がいたらにぎやかで寂しくないよ、と。 私のことを思ってくれての言葉。 「いっぱい」ってどれくらいか分からないけど。
かたや、 自分が寂しいから、張り合いが欲しいから だから子供を産んでくれ、といった義母。
祖母の気持ちを温かく思い出し、 そして悲しくなった。
なんかこういうこれまでのいろいろを 子供の頃からのいろいろを思い出してしまった。
「なんでそんなこというの?」
と思うしかなかった色々なこと。 うまく伝わらなかった気持ちの悲しかったこと。
なんでだろう、というくらい 悲しみを伴った記憶ばかり。
その内、記憶は甦らなくなり、 ただただ悲しいという気持ちだけが残った。 胃の辺りからこみ上げてくるような悲しみ。 もはや原因がどうだ、とかいうレベルではなく ひたすらに悲しい。 悲しくて泣きそうになりながら しばらく過ごしていた。
こんなの初めてだ。 一体、どういうことだったのかも分からないが、 振り返ると興味深いことだったようにも思う。
その内、今度は喜びばかりの日も来るだろうか。 理由なくとも喜びが湧いてくる日があるなら すごく楽しみな気がする。
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