くもりときどき、はれ。
そら



 秘めた恋。

久しぶりの出勤の日は、雪がちらついて寒かった。
私が道をちょこちょこ歩いていると
後ろから本部長が来て、ぽんっと肩を叩かれた。

「元気?」
「あ、おはようございます。元気になりました」

久しぶりの本部長。
本部長に会うと元気を貰える。
なんかウキウキしてきて、私は本部長が好きだ。
明るくて、面白くて。
丁度、私と1つ違いの娘さんがいるそうで、
私のことも娘みたいに思ってくれているのだろう。

私には父がいないので、嬉しい感じ。

冷たい風に3月の雪が流れていく。

事務局長は、今ごろ何をしているのだろう?

会いたいけど、会いたくない。


今日は職場の仲良しのたーさんが私にこっそり話をしてくれた。
この職場のやり方についていけなくなって辞めてしまった
前本部長が、3月いっぱいで他県へ移るというので
皆呼んで集まろうと。
もちろん、前本部長の下で働いていた事務局長も呼ぶことに。
これで最後かもしれないから…。

ちょっと、ショックだった。

前本部長も人柄が良くて、
私はこの人と面接をしてここに入ったから。

ということは、また事務局長と会えるなと…
私はそっちが嬉しかったりした。
Uさんも来るのかな…

この心は、多分しまうべきものなんだろうか。
職場の誰も
私と事務局長という組み合わせは考えてない
というのはなぜかと考えると…
Uさんとうまくいってるのか
あるいはもうつきあっているのか…


じゃあなんで事務局長は私を抱きしめたの?


男の人は、好きじゃなくても女を抱けるのよね。

・・・彼のように。


それでも

それでも私は、今事務局長に心が奪われてる。
恋をするって
心が奪われてしまうってことだから。
Uさんとうまくいってても
メールだけでも
今は密かに事務局長を想ってる。

また、抱きしめて欲しいと想ってる。
事務局長の一番好きなところは
広い胸と頭をなでてくれる手。

自分がくるまってしまうくらいに大きな胸に
またくるまりたい。

そう思っても、今度の恋は言っちゃいけないんだ。



2002年03月08日(金)
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