くもりときどき、はれ。
そら



 人々の恋愛。

恋愛が、楽しいものだけではないということを
普通に付き合って結婚してしまうのならば
わかるはずもないままだろう。

私もわからない方だ、まだ。

体験するかどうかもわからない。


できることならしたくはないと想うんだけど…



事務局長は誰を本当に好きか、よくわからない。

結局ね。

ただ、今日本部長から耳打ちで聞いた。
Uさんの事。

Uさんは今日の飲み会で泣いてた。
ひとりぽつんとすわって。

で、私は気になって側にいって話し掛けた。

「どうしたの?」と。

でも、何も応えてはくれなかったから
私はたまたま居た本部長に
Uさんが変だと伝えた。
そして本部長はUさんの元へと向かった。

少しして元気になった。Uさん。
私は司会者をしてたので、皆の目配りをしてたから
気がついたのかもしれないし、
前から疑問に思ってた事もあった。

そう、前に書いたね。Uさんへの疑問。

なぜ、実家からこんなに遠く離れたとこまで来たのかって。
なにか理由があるのではないだろうか?

私は今まで全く知ることはなかった。

知って良かったかどうかはわからないけど
傷つけることはしないだろう。
多分私は、人を傷付ける時もあるんだろうから。

Uさんは泣きっぱなしだった。
でも私は、仕事のことだとばかり想ってた。
でも違った。

やはりカラオケへ行き、Uさんが消え、その後に事務局長が消えた。
ふたりは一緒に居た。
Sさんも居たけど、カラオケ屋さんで帰った。
私が仕事でキツイこともあって泣いてたから
それで心配して、なんだかやはり様子がおかしくなりそうだったので。

私は、やきもちをやいていた。

でも、どうしようもないのかなとも思っていた。

それからだ。

本部長が耳打ちして私に言ったのだ。
今日Uさんが泣いてたのは、実はUさんの好きな人が居たからだと。
東京の本部の人らしいけど
奥さんもいる人で、その人のことをUさんは好きらしい。


びっくりした。


それで移動の際にこっちへ呼んだそうだ。
その人と離す為に。

組織にも恋愛がある。
人道に曲がった恋愛も。

それを本部長は請け負い、断ち切らせようとしている。

事務局長とくっつけようとしているのもそういう理由なのかと思った。
でも、それは違うのだろうか。
事務局長は今日もUさんとのことは否定してた。
考えているようなことじゃないって。

でも、UさんとくっつくのがUさんにとっても幸せになれる道なのかも。

「邪魔するな」

本部長が言うのはきっとそうだね。
私が入ってはいけない。

そんな気もしたし。

あるいは

事務局長とUさんはそういう理由で
事務局長がいつも見てるだけと言いたかったのかもしれない。

私の気持ちくらいわかるだろうね。本部長は。

その妻の居る人を好きだと聞いて私は泣いた。
悲しかった。
どうしても悲しかった。

想像もつかないほどに泣いて、泣いても泣いても
やまずにきっと切ない思いしているんだろうに。


仮面をかぶってるから心まで見えない。

私は見えないよ。

見えないばかりだよ。


誰の心も読めないかもしれない。

でも、Uさんと事務局長でいいのかもしれない。
私が我慢して済むのなら。
私はまだ年齢が若いから我慢すればいいだけ。

そうだよね。

ホントに、そうよね……


Sさんが私をまだ想っている事もよくわかる。

そしてUさんが妻の居る人を想っている事も。


凹凸みたいに当てはまるものにしか
当てはまらないように出来ないんだろうか?
好きになる人がスッキリ何も無い人同士にはなんないんだね。

かみ締めなければ。
私は我慢しなければならない立場。
我慢が出来る立場なんだよ。

彼もいるし。
でも彼も別れるほか無い。

人々の恋愛って楽しいだけじゃない。
個々にある。

どうもしてあげられない。

してあげられるのは事務局長だけじゃないだろうか。


非力すぎる自分
心が醜い自分
軽率な自分
調子に乗っている自分

嫌なものばかり見える。



2002年04月13日(土)
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