くもりときどき、はれ。
そら

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■ 馨りある女

aikoのCDをCD-RWでダビング。
最近よく車の中で聴いてる。


そのどれかの歌詞の中にそんな歌詞があって
私はそれが気に入ってる。


「カオリアルオンナニ、ナルカラ」


なりたい。


なってやりたいの。


ヒロアキ、いつか舞い戻った時に
貴方が目を丸くしたあの日の私の姿の様に
これから女として魅力あるものを見につけていくわ。

その時は驚くといい。


しっかり見るといい、自分が選ばなかった女が
どんなに綺麗になったのかって。

そして考えて欲しい
そらとの将来を選んだ自分をね。



本部長の昔話を聞いてた、今日は。


人生には誰にでも一度深く愛する人間が居ると想う。
その人と結ばれなくても、深く愛することの在る人間が。

本部長にもそんな人が居て、
まだ想いをはせていて、
でもそれは許されない恋愛だったから
彼女から身を引いたって言ってた。

その人は、きっと綺麗になってると想う。

本部長はカラオケで、その子が好きだった歌を歌ってた。
それできっとあの時のあの子の気持ちは
こうだったんだろうなって笑って泣いてた。


「お前も大人だから話すな」


と、話したかった昔話をしてくれた。

カオリちゃんという子と
妻と子のいる本部長が恋に落ちたこと。

その時の苦しみと
カオリちゃんからもう別れると決意して、離れたこと
それ以来一切会っていないふたりの苦痛。

好きになることはいいことなのに
だめなこともあるんだろうか?

だめだけど、無駄ではないんじゃないかって
私は話を聞いて想ってた。

「カオリが最後に言った言葉はこうだったんだ」

本部長がいってた。

�狠砲判�の友情って成立するわよね。
 いつか想い出話が出来るようになったら
 又会いましょう��

彼女は言ってた。

私と当時同じ年齢の彼女…

大人である彼女に私は感服したが
苦しみはもっと痛いものであったに違いないと思えた。

その時の話と
その後の5年程経った本部長の気持ち

「俺、アイツはいい奴だと想ってるんだ。
 今も抱きしめたい位好きだ。
 でも、恋愛感情の好きとはまた違う気持ちなんだよ」

「わかります」

なんとなく、解ります。

サラリーマンの集まる一般的な居酒屋で
スーツ姿の中年の男性と、
カジュアルな格好の娘がふたり。

私はいつもアベコベな服装で会っているけれど
私には綺麗なお姉さんみたいな服はなくって
本部長には合わせられない。

カオリちゃん、ありがとう。

私、あなたの苦痛と決意のお陰で
自分の心が癒された。

彼女は今頃私に自分の話をされているとは知らないでしょう。

人の苦しみはいつか人を助け、人を癒し
乗り越えた強さはいつか人を支え、守ることが出来る。

そう、教えられた。

本部長の思い出話は私の心の傷を包んでくれた。

そして新たな決意を持とう
そして今度舞い戻った時に
あの人の前に私は現れ魅了しよう。

確かに私はヒロアキを愛してた。
あの人と結婚しなくて良かったと人に言われても
この傷が物語る、あの人を愛してたこと。
疑うということは愛しているということ…とも言える。
初めて私が人を支えたいと想ったのもあの人だった。
それも知らずに
私の生きてきた道も知らずに

あの人は別な人を選んだ。

後で後悔してね。


時々、癒えない傷を抱える私は
あの人の名前を呼ぶ。

「ヒロアキ…」


いつまで呼ぶのか知らないけれど


馨りある女になれるまでか…






2004年04月23日(金)
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