Silent Song
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人が僕をみては、 「可愛そう」だとか 「可愛いね」だとか
いって
僕の前を立ち止まっては 通りすぎる・・・。
中には 「ごめんね」と切なく 僕を抱いて、 また箱に戻しては、 何度も振り返って立ち去る人もいる…。
上を見上げると 黒く白い空。
あの綿菓子雲を僕は 時折眺めては、
車の通りを一人ぼっちで 見つめてる。
…お腹がすいたよ…
でも、 僕がにゃあにゃあと叫んでも、 誰も助けてくれないんだ・・。
僕をダンボールにいれて、 振り切るようにここに入れて 立ち去った、 「あの子」はどこへ行ったんだろう…。
僕はひたすら にゃあにゃぁと鳴き続ける。
・・・空から冷たいものが落ちてきた。 いずれその音は重なり奏でるように、 ポツポツ…その音が重なるように、 天から降ってきた。
僕のダンボールには屋根がないから そのまま濡れるので、眼を閉じる。
「僕はどうして生まれてきたんだろう。」
「僕はどうして、こんな思いをしなければ ならなかったんだろう…」
「神様は不公平だなぁ・・・」
ある子は同じ猫なのに、ペットショップで買われ エサも愛情も満ち足りた生活を暮らし、 あの大きな家の出窓から、 こちらの様子を不思議そうにみてる。
・・・・・。
僕は濡れ続ける。 鳴き声もすりきれてきた。 おなかと背中がくっつきそうなほど おなかがすいた。
助けて。 誰か助けて。
僕が何をしたというの?
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