数年前、父の還暦祝いは中華街の某店（少し前火事で全焼。）で行われた。
その際家族全員それぞれ父にプレゼント用意していた。もちろん私も用意していた。
当時（今も）貧乏だった私は、それでも悩んで某G-SH○CKを購入したのだった。
私とお揃いだし、父はごつい時計が好きだし、なかなか良いプレゼントだな、と思った。
そして当日、おいしい料理を食べ、クライマックスはプレゼント開封だった。
兄、私、妹、母と思い思いに用意したプレゼント。
兄があげたもの、それの中身を見た瞬間「やばい」と思った。それは○MEGA。


次に私のプレゼントを開けようとする。私は後で開けてと止めたのに父は、開けた。
出てきたG-SH○CK。私は、泣きたくなった。というか、泣いていた。いろんな感情で。
食事の場も設け、手配もし、もちろん全部負担してくれた兄。しかもあのプレゼント。
それに比べ私はなんなんだろう。と恥ずかしさの感情が一番強かった気がする。
それなのに父は、とても喜んでくれた。嬉しそうに○MEGAと並べて腕にはめてくれた。
「重い時計が好きなんだよ、よく知ってたね」と言ってくれた。
この私の気持ちを察したのか兄が「この時計頑丈なんだよ！仕事のときはこれが一番」
「俺も欲しかったんだよ」とも言ってくれた。兄ちゃんありがとう。良い兄ちゃんだ。
この時私は誓った。金を貯めよう、と。（違う）
違った。家族を大事にしよう、と。


しかし、今思えば、母があげたプレゼントが一番父を喜ばせたかもしれない。
兄弟3人も驚いた生々しいプレゼント。