誰に言える?こんな想いを。 誰に聞ける?こんな想いを。
あたしが悪いことはわかってる。 でも、納得できない。
それはあたしの事情。 それは彼女の事情。
傷つけたく無いから、言えないなんて、ただ逃げてるのとどう違うの? わからない。 あたしは、彼女に伝えたかった。 もう、その言葉が届かないと知っていても。
吐き気がする。 今は嘘の詞も打てない。嘘で飾っていたのは自分なのに。 優しい人を演じていた。 彼女にとって都合の良い、あたしでない「あたし」を。 それが苦しいわけじゃない。 優しくしたかった。 傷つけたいわけじゃなかった。 それでも。
いくら詞を並べてみても。絵空事にしか見えない。 本当の詞はこの胸にあるというのに。本当の気持ちはここにあるというのに。 どうすれば伝わる?どうすれば、伝えられる? 詞なんて虚しいだけだ。 いつになったらこの胸の波はおさまるのだろう。 いつになったら…
悲しいのは何も言えなかった自分。 言ってしまえばよかったのだ。それで何かが壊れてしまっても。 今よりは随分とマシなはずだったから。
もう。わからない。どうすればいいのか。 あたしは彼女を愛しているのか?では、この汚くて醜い激情は何だ。 嫌われるのが怖い? ううん。彼女はもとから「あたし」を見ていなかった。だから、彼女には 人として認識されていないんだ。そんなこと知ってるのに。 あなたに、世界を見て欲しいと。 あなたに、あたしの世界を見て欲しいと。 それは、傲慢だろうか?
哀しいほど、愛おしいひと。 あなたの心を癒すのは、誰なのか。 あたしでは駄目なのか。
この線を越えてしまえば、楽になれるだろうか。 あなたがあたしを見てくれるだろうか。 もともと何もなかったのだから。 いっそ壊してしまえば楽になれるのだろうか。 ただ今は刹那の快楽より、その一瞥が与えられたい。
このココロに鍵をかける。 このココロを止めてしまう。 その鍵を持っているのは、ただ、あなただけ。
箱の底には希望さえ残っていない。 ただ、ひとの想いだけが…
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