航海日誌

2001年04月27日(金) 在る少女の独白

誰に言える?こんな想いを。
誰に聞ける?こんな想いを。

あたしが悪いことはわかってる。
でも、納得できない。

それはあたしの事情。
それは彼女の事情。

傷つけたく無いから、言えないなんて、ただ逃げてるのとどう違うの?
わからない。
あたしは、彼女に伝えたかった。
もう、その言葉が届かないと知っていても。

吐き気がする。
今は嘘の詞も打てない。嘘で飾っていたのは自分なのに。
優しい人を演じていた。
彼女にとって都合の良い、あたしでない「あたし」を。
それが苦しいわけじゃない。
優しくしたかった。
傷つけたいわけじゃなかった。
それでも。

いくら詞を並べてみても。絵空事にしか見えない。
本当の詞はこの胸にあるというのに。本当の気持ちはここにあるというのに。
どうすれば伝わる?どうすれば、伝えられる?
詞なんて虚しいだけだ。
いつになったらこの胸の波はおさまるのだろう。
いつになったら…

悲しいのは何も言えなかった自分。
言ってしまえばよかったのだ。それで何かが壊れてしまっても。
今よりは随分とマシなはずだったから。

もう。わからない。どうすればいいのか。
あたしは彼女を愛しているのか?では、この汚くて醜い激情は何だ。
嫌われるのが怖い?
ううん。彼女はもとから「あたし」を見ていなかった。だから、彼女には
人として認識されていないんだ。そんなこと知ってるのに。
あなたに、世界を見て欲しいと。
あなたに、あたしの世界を見て欲しいと。
それは、傲慢だろうか?

哀しいほど、愛おしいひと。
あなたの心を癒すのは、誰なのか。
あたしでは駄目なのか。

この線を越えてしまえば、楽になれるだろうか。
あなたがあたしを見てくれるだろうか。
もともと何もなかったのだから。
いっそ壊してしまえば楽になれるのだろうか。
ただ今は刹那の快楽より、その一瞥が与えられたい。

このココロに鍵をかける。
このココロを止めてしまう。
その鍵を持っているのは、ただ、あなただけ。

箱の底には希望さえ残っていない。
ただ、ひとの想いだけが…


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