2001年05月05日(土) |
名探偵コナンパロ(苦手な方は御遠慮ください) |
港から船が出航する。 客船の一室で、俺は窓から見える景色を楽しんでいた。 二日前に豪華客船の事件を解決したその足で島国を出、英国経由で東京へ帰る予定だった。どういうわけか、俺は工藤新一のまま。 そこで、ノックする音に気付き、顔をあげる。
「…はい?」ドアを開けると、同じ客船に乗っていた毛利小五郎だった。 「…ちょっといいか…?」俺は遠慮がちに言った彼にとりあえず、部屋に入るように勧め、自分もドアを閉めソファーをすすめる。彼はそれに座ることなく口を開いた。 「…何で婚約なんかした?……お前らしくない回りくどい手だな。」やっぱりそう来たか。俺は数日前、蘭と婚約した。丁度事件が解決した日に。 「……アンタこそ。よく許したな。」俺は窓からまた景色を眺めながら言う。 「……蘭が泣くからな。でなきゃ誰がお前なんぞ…。」 「おっさん。」 「俺は英国から東京に戻る気はない。」 「お前っ!」 「……因果な商売だからな。」わかるだろう?と言外に含めて。 「……・まさか、狙われてるのか…!?」 「……必ず帰るから。……・これは、その為に自分にかせた戒めみたいなもんさ。」そう言って蘭とお揃いの誕生石をチェーンネックレスにしたものを指で弄ぶ。 「出来ない約束なんか、するな。」小五郎がしゃがれた声で言う。かすかに震えている肩。 「………蘭だけなんだ。俺をこの世界につなぎ止めておくのは。」 「…………く、」 「今はまだ……でもいつか……いつか真実が、見えるはずだから。……いや、見つけだしてみせる。必ず…!」俺はこみあげた熱を噛み締めるように息を止める。
「…………ばぁか。てめぇだけだと思うなよ。」その声に俺は振り向く。 そこにいるのは。いつものおっさん。春日を背負った、強い男。 「行ってこい。…たまに連絡もしてやれ、女ってのはそういうのに敏感だからな。それと……」おっさんは俺の頭をくしゃっと撫でながら、 「無くすなよ、それ。」チェーンネックレスだけを指して言った言葉でないことはわかっていた。彼の指にはいつもしていない銀に光る指輪。 「………ああ。側にいる…。」そのつぎの瞬間。
ごんっ。
「ってえっ!!何しやがるこのボケオヤジッ。」俺は思いっきり、殴られていた。いつも、コナンがされるように。 「調子こいてんじゃねーぞ、餓鬼。まだまだ青いテメエなんかにウチの大事な娘は任せられんよ。ばぁかっ。」そう言って出て行く。 「こんの………クソジジイッ!!」俺の叫びは虚しく部屋に消えた。 「全く……。」溜息をついてから、リングを弄び、つい出てしまう笑いを止めることは出来なかった。
「っもうっ。新一ったらまた事件だとか言ってどっかいっちゃうんだから!!いくら私が聞き分けが良くて可愛くていい女だとしても…限度ってものがあるわよねっ!?ねぇコナン君っ」 「は……そ、そうだね…。」俺はまたコナンに戻っていた。そして、彼女の側に戻っていた。台詞の半分には突っ込みたい部分もあったが、命が惜しいのでやめておく。 「でも、蘭ねえちゃん信じてるんでしょ…いつか、帰ってくるって。」 「……そうね。うん。」彼女はそれこそ極上の笑みで言う。 「あら、でも私待つだけの女って嫌なの。母さんのように自立した女になりたいわ。」 「……へ、へえ?」そりゃ確かに蘭の母親は……凄い人だが。 「だから、つぎに新一に会う時まで自分を磨いて……そうね、今度はナンパさせられるくらいにはなりたいわね。」蘭は意地悪く言う。でもとても楽しそうだ。 「……新一兄ちゃんが……ナンパ?」俺は笑いをこらえていた、けれどそれが蘭に分かったみたいで、彼女はずいっと顔を近付ける。 「何よ!?文句ある!?」 「…………ありません。」頼むから!この距離はやめてくれ!!心臓に悪い。 「あーあ。早く帰ってこないかなぁ。新一のばか〜〜っ。」今日も天気がよく彼女は空に向かって叫ぶ。俺はそんな彼女を見て満たされた気分になり、聞こえないようにそっと呟いた。
「きっとすぐ帰ってくるさ。…・きっとね。」
END
ていうか。そういう夢をね。見たのでね。書いてみたり。 なんか突然コナンなあたり。(笑)どうした私。はじめて書きましたけど。 おかしいな平X新なはずなのに……平次出てませんね。(笑)おかしいね。 ちなみに豪華客船の事件は実はこの一夜にして映画のように見たのですが。夢でね。夢。タイタニック見て無いのになぁ……どこから来たんだあの夢は。(笑)久々に長篇な夢だったので。書いてみたり。 今日もはれてよかったなぁ。それでは、また!(ちなみにこの日記ってページでは綴れないのね。知らなかった。)
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