JERRY BEANS!!

2001年07月08日(日) 一番冷たい

先日、妹の進学の事で、家族でもめてしまった。

と言うのも、それは、彼女が今行っている短大を辞めて、今年受験を
しなおす、ということで新潟に帰ってきていたのに、その舌の根も乾かぬ
うちから、基本的生活習慣を無視した乱れぶりを見せてしまった事に
始まった。ざっと二週間くらいだっただろうか。母親は見てみぬフリで
眼をつぶって、我慢をしていた。兄は、文句を言いつつ、心配していた。

私は、ずっとこのままなら、どうせ受験も失敗するから、その時まで
放っておこうと思って何も言わなかった。

私は、何でも、自分で経験しないと本当には理解できないと思っているので、
周りの人がどうであっても、忠告や注意をしない人だ。

今していることの結果は、本人がそのうちいやと言う程知るだろうから、
私があえて忠告したところで、現時点では余計なお世話に決まってる、
と、私だったら思うからだ。

人にされたらいやな事は、人にしない、というのが信条なので、
当然私はあんまり意見をしない。大事だと思ったら本人から聞きに来る
べきだし、そのうち他の人が注意してきっと知るだろうと思ったからだ。

しかし、妹の生活態度について問題になった時、私は言われてしまったのだ!

「あなたは、本当に冷たい人間だわ。転ばぬ先の杖ではないけど、
 この子がダメになって行くのを、どうして注意もしないで見ていられるの?
 確かにあなたまで彼女を虐げるようだったなら、彼女は逃げ場が無くなる
 かもしれないけど、そうやって甘やかすのは、本当には彼女を心配して
 いないからなんじゃないの?」

私は、妹が受験に成功しようと失敗しようと、変わらずやっぱり愛して
いると思うけど。本当は、私が一番冷たいのだろうか?

兄は、よく怒る。彼女を泣かす。けれど、それは心配しているからだ。
彼女の学費も、半分は負担するから、行きたいところを受験させて
やろうと最初に言ったのも、彼だ。

母は、一度決めた道をまっとうするべきだと言った。それも、意志の弱い
妹を心配したから、言った言葉だった。心配だから、やはり怒る。

私は、全く怒らない。だって、どうでもいいんだもの。なんだっていいから、
本人が好きなようにしてくれて、幸せを感じてくれたらそれでいいのだ。
無理に頑張れなんて言わないし、そのままで別に構わない。

頑張る人には応援するし、出来るだけの援助もするけど、それはあくまでも
“努力する人”に対してだ。だから、私は兄を好きだ。

だから、私は一番冷たいのだそうだ。そうだね、そうかも。
だけど、多分これで良い。役割分担はOK。

私はこんな家族がわりかし気に入っている。こういうところ、
きっと私が一番父に似ているんだと思う。

泣く人を放って置けないところも、おせっかいで甘やかしで、本当は
冷たいところもだ。

そうして、兄の怒りっぽいところも、父に似ていると更に思う。
父親が死別してしまった事は悲しいが、そうだからこそ残った家族で
できる事をやっていこうとしているこの家族が、私は好きだ。
あの頃に比べて、みんな強くなったなって思う。

心配事は、確実に減っている。あとは、妹だけだ。

私は確かに冷たいが、それでも、愛する気持ちは同じだと信じている。
それが、家族なのだということも。


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