雪があまりに綺麗で、貴方を想い出した。雪が降ると空気が澄む。雨も好きだけれど、音もしないで好きな方向に舞い散って落ちる雪がホントに綺麗で。…不思議と寒いのは好き。あの、重たい灰色の空も、世界の終わりみたいな夕方の暗さも、歩くたびに音がする道路も、顔に付く度に、ひやりと溶ける水も。これから、何遍でも、貴方に重なって積もって行けたら良いのに。細かく細かく。小さな物が。貴方の体温で溶けながら、少しずつ積もるように。