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時々、私はうちのデブ猫に向かって、「電話位とれよな!!」と腹が立つことがある。本当に役に立たない。
 家は住人が帰って来るまで死んでいる。
 真暗な玄関で電気をつけ、ストーブで家の中をあたため、テレビをつけたりラジオをつけて台所で水を流したりする頃に、少しずつ生き返って来る。しかし、猫が一匹夕闇の部屋からニャーと現れると、家が猫と共に死なずに生きていたとほっとする時、急に猫が不憫になる。生き物が自分の不在の中も生きているということに人は救われる。存在するだけでただ居るだけでよいと人間に認識させる猫は考え様によっては不気味である。
 
 あれも嫌いこれも好き/佐野洋子
 
 
 佐野洋子さんが紀元後2000年のことを『きんさんぎんさん20人分』と書いてた。ふたりペアなら10ペアだ。
 そう考えると、なあんだってかんじにも。
 用賀の大戸屋へ行ったらすいた店内で、わたしが来る前から帰るまでずっとしりとりを(敬語で)してる男女が。とっくに食べ終わってるのにそんなに長い間、飽きもせず楽しくしりとりをするなんて相手のことがよほど好きじゃなきゃできない。好きになりかけのときとか。
 
 
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