♀つきなみ♀日記
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2001年03月29日(木) |
おしごとがきえてゆくまち。経済指標の狭間。 |
おとうさんは工場で、いっしょうけんめいはたらいておきゅうりょうをもらってきてくれます。わたしとおかぁさんは、そのお金でお店屋さんで買物をして、ごはんのよういをします。おとうさんはときどき、きれいなおねぇさんのいるお店でお酒をのんで帰ってくるので、そんなときはおかぁさんとケンカになったりして、わたしはちょっとかなしいです。でも、そんなことのあったあとは、みんなでふぁみれすへいったり、ネズミーらんどへ連れていってくれたりするので、たまにはケンカもいいなぁと思わずおかぁさんに言ってしまって、頭をはたかれました。
まいにち楽しかったのに、こんど工場はなくなってしまいます。「よその国から値段の安いものがたくさんはいってきてしまうので、作っても、もうからない」っていうことなのですがわたしにはよくわかりません。
工場がなくなるので、社宅も出ていかなくてなりません。お店屋さんも買物にくる人がすくなくなるので「たいへんだたへんだ」と言っています。
でも町長さんは、ぜんぜん気にしていないらしくて、いままで通りきれいなおねぇちゃんのお店で酔っぱらったり、よその町内会長さんとゴルフへだかけたりしているばかりで、町長さんのむすこさんは、銀行からお金を借りて新しいコンビニを作ってスポーツカーも買いました。
なんて感じかな?<=面白くねぇよ!
いろいろありすぎ。国賓をほっぽいて、腰痛だと言い訳をして鮨をつまみながら酒飲んでた森首相が間抜けなのは、今に始まったことじゃないので置いといて、っていくらしたんだろう料金?若手国会議員さん、まさか領袖に奢るのに領収もらってないよね?なんちゃって<=おやじか?
それはともかく、何故か好転している雇用関係やっすっとぼけた日銀短観が発表されているので、書きたい事はいっぱいあるんだけど、その狭間で経済産業省から「2001年版我国の工業」っていう報告書が発表されている。
ちょっとびっくりするのは、資料の数字が1998年末と1995年末の比較なんだよね。♪3年遅れの便りを載せて♪、ってあんこ便り@都はるみさんじゃないんだから。そんで2001年版ってそもそもなに?そしてその数字でさえ事業所で9.2%、従業員数で7.7%減となっている。そしてその後は加速傾向って言うわけで、現状はいったいどうなっちょるんじゃろうかい。これと関連するのは3月28日に商工中金から発表された「中小企業設備投資動向調査(2001年2月)」なんだけど、本年度の計画は前年度比38.5%減だ。 (資料はここでダウンロードできます。)
もうひとつ着目して欲しいのは、この数年雇用の受け皿になっている対個人サービス業の数値が急速に悪化しているんだよね。おおまかに数字を挙げると、前年対比で映画館18%、遊園地・テーマパーク1.8%、葬儀業3.2%、結婚式業10.3%、カルチャークラブ3.9%なんて感じで、ゴルフ場は23.9%、ゴルフ練習場は16.8%てなもんだ。ちなみに商業販売総額は1.2%減なんだけど、卸売りベースだと農畜産物・水産物卸売業8.2%、食料・飲料卸売業4.9%減とちょっとシャレにならない数字になってるんだよね。ちなみに繊維工業生産は平成7年度を100とすると、71までの規模に、飲食店総売上は83になっちゃてたりする。資料はここでダウンロードできます。)
お仕事が消えていってるんだよね。ざっぱに言えば通信っていうか、俗に言うITがらみとコンピューターと一部の特殊技術を除く製造業は、急速に雇用の弾力を失いつつある。っつうか生産を海外へシフトしないと価格競争に勝てない状況の業界が増えている。
前述の報告書にもあるんだけど、今まぁまぁ景気のいい業界であるIT&コンピューターも、政府&地方自治体と金融関係の需要で売上が増加してるんだよね。それと、公告業界もこんなご時世のなか前年対比アップなんだけど、これは金融っつうか保険業界のダントツの伸びと、消費者金融、そしてフランチャイズ系の飲食やスクールが好況を支えている。一次産業&製造業でお金が回っていないのって、いつまで持つんだろうって思わないのかな?
前にも書いたんだけど、現在雇用を下支えしている業界に、コンビニをはじめとするフランチャイズによるリストラされたおやじさんや、土地持ち2代目3代目を集めて、「一応は仕事」って感じの銭回し業界がある。そして、某大手PC教室に代表される、「取っても笑われる資格」商売も未だに健在だ。
別に悪いことじゃないんけど、日本って輸出産業で経済回してるんじゃなかったっけ?そのへんの重点施策や研究保護ってどないしてんやねん。
うーーん、腹が減ったんで、今日はココまで。明日も仕事だしね。ってことでまたね!
テキスト庵
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2001年03月22日(木) |
不良債権の闇。信用保証協会<=なんや? |
しかし、なにやらきな臭い、って言うか作為が交錯すると言うか、昨今の一部報道もどきのプロパガンダは凄いと思うのは私だけ?突然、続々大企業のトップがTV画面に登場して経済政策を一見批判しているよね。実名と言うか、顔まで出して。
そんで何時の間にか、不良債権の直接償却がまるで「善」と言うか、既定の路線になりつつある。確かに不良債権は償却されるべき物ではあるけど、なんでそれがまた国民負担っつうか政府負担と連動するんねん?法治主義はけっこうな事だけど、罰せられないまでも不良債権を生み出した過程とその責任について解明しておかなくてええんかい?そんで、その不良債権の明細はなんで公開されないんだ?
いくらバブルの時代だったとは言え、まさか運転資金名目でバカバカ融資稟議が通っていた訳じゃないんだから、融資案件と実行と融資先の案件事業報告書くらい一覧にしなさいよ。
そう言えば、KSD事件に隠れて、現職民主党議員秘書の東京保証協会への口利き事件がこっそり新聞に載り、何故だかこりゃまたネット上からは速攻消えているんだよね。まったく不思議な事だ。
こりゃなんじゃいって言うと、1998年10月に「中小企業金融安定化特別保証制度」っつうのが出来たんだけど、これはバブル崩壊の後、例の銀行を初めとする金融機関の貸し渋りが問題になったときに、緊急措置として設置されたんだよね。そんで、2000年3月までに20兆円の枠が設定され、2000年末までにはさらに10兆円追加して30兆円に拡大してたりする。
ザッパに言えば、この信用保証協会っていうのは、正に信用を保証するわけで、保証した企業が法的整理や夜逃げをして返済不能になった場合は代位弁済するわけで、そもそもは優良な将来性のある事業であるんだけど、一般金融機関の基準では資産や営業履歴が融資条件に満たない中小企業の支援処置だったんだよね。だから、ちゃんと審査して「こりゃよかろう」っていう企業に保証する訳なんだけど、何時の間にか、「よっしゃ、よっしゃ」系のお偉い様の収入源&票田維持機能に組み込まれちゃうんだよね。勿論全部じゃないけど。
もういっちょ着目して欲しいのは、銀行はちゃんと返済があれば儲かって、返済がなくても保証協会からお金が返ってくるんだよね。じゃぁ不良債権って何処で生まれたのかって言うと、自己投資つうか関連会社含みと自己審査で融資した案件なんだよね、当たり前だけど。それがなんだか、バブルが弾けた事が何時の間にか免罪符になって、その責任が国にあるみたいになって来ている。政策が失敗してるのはそうなんだけど、それとこれとは別問題だよね。じゃ、健全経営して継続的に利益を出して納税している企業には、ご褒美の交付金でも出して将来に備えた研究投資の足しにさせてやりなさいよ。って在り得ないけど。
うひゃ、固いなぁ。今日の日記。ま、こんな日もあるさ。書き直すのめんどうだから、まいいか<=おい!
って事で、またね!
テキスト庵
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ぼたもちを作る。ダイエットはお休み、とは名ばかりで無期延期中<=おい!
それはともかく、今日は春分の日っつうかお彼岸の中日だった。お彼岸の蘊蓄は山ほどWEB上にもあるのではしょるけど、時々情報が落ちているのはこの行事は仏教行事ではあるんだけど、日本特有のものだと言うことだ。
「日本後紀」のなかで大同元年(806年)「崇道天皇の奉為に諸国国分寺の僧として春秋二仲別七日金剛般若経を読まわしむ」とあるのが、文献に現れる日本ではじめて彼岸会であるとするのが一般的なんだけど、春分・秋分の祭祀は元来易暦系の物で、暦が普及する以前にも行われていた春の祖先供養に、二十四節気が乗っかって年二回の行事になり、それに仏教行事がかぶさったのではないかと言われる。仏教でこの日に祭祀を行うのは、昼夜の長さが同一である処から、「迷い」の境地と「悟り」の境地、つまり現世の此岸と涅槃の彼岸の接する日と位置づけられた。
ここでも日本の各信仰は、宗教性より土着祭祀と融合した独自の精神的支柱としての地位が垣間見られる。って言うか、現在は仏教各宗派で行われている訳なんだけど、元々宗派儀礼ではないんだよね。でもどこでもやってる。
本居宣長は桜をこう詠んだ
敷島の倭ごゝろをひととはば朝日ににほふ山さくら花
異論はあると思うけど、私は「やまとこころ」の本質は、四季の表情豊かな自然に恵まれた、感受性の豊かさに有ると思う。杓子定規な押し付けの法理や、取ってつけたような為政者の論理を、「へえへえ」と聴きながらも、自らの為に勤勉に毎日を過ごして、父母の恩に手を合わせ、子供達を慈しみ、知人との確執に恩讐を抱きながらも、また自らの為に勤勉な毎日を過ごす。それを許す肥沃な地味と、時として努力をも裏切る天災の中で、営々と代を重ねる人々の瞳に映る、咲く花々と流れる雲と移りゆく日々を感じる豊かな心こそが、「やまとこころ」であった気がする。
家族が打ち揃って、お彼岸にお墓参りへゆく。これは宗教行事じゃなくって、一つの節目だったんだよね、きっと。
淡い色のソメイヨシノになんの罪もない。でも、前に書いたように「散華」と「桜」を為政者が結び付けた頃から、「やまとこころ」は急速に色を無くして行った気がしてならない。
私の大好きなサイトに桜巨木伝がある。全国の桜の巨木や老木を求めて撮影してゆくという素晴らしい企画なのだが、ほとんどの桜は当たり前だが、彼岸桜か山桜だ。そしてその老木の殆どは、桜並木や桜の森にではなく、ぽつんと立っている事が多いのが、なんだか悲しい。
テキスト庵
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2001年03月18日(日) |
おぼっちゃま、おじょうちゃまの国日本/コネ亡国論もどき |
ってことで、出て来ましたね、具体事例。
毎日新聞なんで、勇み足があるかも知れないって事を割り引いても中々出にくい記事なんで貴重ではあるんだよね。
以下引用 毎日新聞(2001年3月18日) <三セク採用試験>合格者のほとんどが市議らの口利き 札幌市
札幌市の第三セクター「札幌市生涯学習振興財団」(理事長・大長記興同市助役)の2000年度職員採用試験で、合格した17人のうち16人に同市幹部や市議らの口利きがあったことが、17日分かった。同財団は「試験結果に恣意(しい)は働いていない」としているが、合格者のほとんどがコネ採用だった疑いが出ている。
同財団は、昨年8月に開館した同市生涯学習総合センター「ちえりあ」(西区宮の沢1の1)などを運営するため、同市が資本金5000万円を全額出資し1999年4月に設立した。同年11月に行われた職員採用試験には3098人が受験。22人が一般教養と小論文の1次試験を通過し、昨年1月の2次試験(面接)を経て17人が採用された。
採用試験委員長を務めた同財団の伊崎俊秀常務理事によると、理事長の大長助役ら同市幹部や幹部OB、市議らから「合否が分かったら、少しでも早く教えてほしい」などと働きかけがあったといい、伊崎常務理事は1次試験の受験者名簿の欄外に鉛筆で口利きをした人の氏名や役職を書き込んだ。
伊崎常務理事は「受験者全員に不信感を持たれたのではと反省しているが、採用してくれというごり押しはなかった」と説明している。 【早川 健人】
以上引用
って事なんだけど、口聞きした人の役職名を書き込んでいた部分が間抜けなんであって、それ以外はある意味、第三セクターや公益法人における職員採用では、あったりまえだのクラッカーbyてなもんや三度笠(古)って事だし。
民間企業の情実っていうか、コネっていうか縁故採用はある意味利益をあてにしたものが多い。天下りもこの親戚みたいなもんなんだけど、けっこう問題視されるてるし、ご存知のようにある職位以上は公表されちゃうんで、若干の歯止めは効いている。表向きは。
ところがぎっちょん、親族になるとほとんど野放しだし、そのまた利害関係者、あるいはコネはまったくノーチェックで、コネ大国が成立している。「別に私企業だったらいいじゃん」って言われたりするんだけど、実際にはコネのコストは国民全員が負担しているんだよね。
ご存知のように日本の法人税や事業税は利益に対して課税される。人件費は当然経費として計上されるわけで、すかたんなぼっちゃんじょうちゃんの人件費総額×税率は本来課税対象になるべき利益なんだよね。詳細を述べるスペースはないけど、これってどうなのよ?
もちろん、仕事もしないじーちゃんやおばはんが会長だったり専務だったりするのも問題ある訳なんだけど、ここから取れる税金は所得税と地方税だけで、ところが厚生年金の給与比例分も、毎日なんもしないで年数だけかさねていても、きちんと支払われちゃうんだよね、これが。
極論すれば、コネで名ばかりの仕事でへらへら遊んでいるぼっちゃんやおじょうちゃんやおっさんやおばさんに税金かっぱらわれてるんだよね、がんばって払っている年金も。
公務員さんがあーだこーだ叩かれる事の方が多いんだけど、公務員さんになるには一応試験に受かる努力はいる。努力しないで、親やコネの力で就職したり、仕事は一切しないで、役員報酬を受け取るコネ族ってどないやねん、まったく。そしてその報酬は年金にまで反映してゆく。そんで、そういう人たちに限って、年金資格を満たす時期に七光りが褪せてきたりして、相続した会社潰して不良債権として銀行におっかぶせたり保証協会に借金被せて公的資金で清算されて、資産は隠匿して悠悠自適の余生を過ごしたりするんだよね、まったくもって。羨ましい<=違います!
KSD事件も自民党の党費立替問題は立件しない事で決着しそうだし、コネが常態である限り、国力が戻ることはないのかも知れんような気もしてきちゃったよ。ふ~~~。
って脱力したところで、今日は中華くらげサラダとちゃんぽん作ることにに決定。ってベタだけど。でも美味しいんだよ、ホントに。
って事でまたね!
3/17:桜。散華と豊穣 3/15::江戸蕎麦の出汁など
テキスト庵
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世の中に 絶えて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし(在原業平)
って、あんたは女がいれば、どのみち「のどけからまし」じゃねぇだろよ!なんて突っ込みを入れてみる、風流に縁遠いつきなみ♀です。っつうかモテナイひがみ<=おい!
えー、桜と日本ってのは、古来から縁が深いってもんで。ご存知、日本書紀には、履中天皇の即位の宮に「磐余稚桜宮」(いわれのわかさくらのみや)っつう名前が付けられたなんぞという、逸話があったりいたしやす。こいつぁ、天皇様が磐余市磯池(いわれのいちしのいけ)て処で宴をもようしたんでゲスが、そこに桜の花びらが飛んできやして、盃にへぇりやしたのを祥瑞として、宮の名前にしたとかなんとか・・・・。
失礼。江戸蕎麦について昨日書いたら、江戸っ子になっちまいやしたぜ旦那。なんちゃって。
それはともかく、日本の春と桜は、膣痙攣になったカップルというか<=おい!やっぱ一対っつうか切っても切り離せないものだよね。
少し真面目に戻すと、桜の花に寄せる心に、その時々の大和心の変遷が垣間見られる。前述したように、古来より桜は祥瑞とされていたようで、自らも釈迢空として桜の歌を詠んだ折口信夫も、民俗学者としては著書「古代研究」の中で「豊穣への期待を込めた予占の花であった」と記している。また、家内に桜を植えるのは「厄災を遮る結界」であったとも述べられている。
古来の桜は、田の神が山から降りる道案内であったり、その足跡として位置づけられていた。但しこの桜は、現在もっともよく見られるソメイヨシノではなく、山桜なのである。桜は咲くことの力の美しさと「生」の賛美を元に、春のおとずれを祝い、豊穣を祈る花だった。
ソメイヨシノは江戸ヒガン(ヒガン桜)とオオシマ桜の自然交配によって生まれた事はほぼ間違いないようなんだけど、1700年代初期説と1840年代説があって、未だに定説とはなり得ていない。でも、全国に浸透していったのは、明治維新後、文明開花によって、「東京の桜」としてであることは間違いないようだ。
明治期以降に山桜を好んで詠んだ歌人に若山牧水が挙げられる。
うすべにに 葉はいちはやく萌えいでて 咲かむとすなり山桜花
ソメイヨシノが登場する前は、概して西日本には山桜が多く、東日本には彼岸桜が多かったとされる。牧水の歌にも現れるように、山桜はまず葉が芽吹き花が咲く。花期はソメイヨシノに比べて長く、また葉の無い木に花だけが繚乱と咲き誇る現在一般に想像される満開の桜の風情とは異なる物だった。
明治に入り、日清・日露戦役の忠魂碑の側には、必ずソメイヨシノの花が植えられるようになる。この頃から「咲いた花なら散るのは覚悟」という散華思想と桜が結びついてゆく。そして、終戦(1945)から数年の間、桜は「軍国の花」として、各地の桜は伐採され、美しく町に溶け込んでいた桜並木の多くは、この世から姿を消した。
まだ書きたい事はいっぱいあるんだけど、今日はこのへんにしておくね。
研究により桜は豊穣の印であったと記した釈迢空(折口信夫)は養子を硫黄島戦で亡くし次の歌を詠む。
たたかひに 果てにし子ゆえ 見に沁みて ことしの桜 あはれ散りゆく。
じゃまたね!
テキスト庵
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って事で、なんだか大敬愛させて頂く下条様を、又、出汁にさせて頂いてまことに申し訳ありません。っていうか江戸蕎麦好きの戯言と思し召して、ご寛容下さいね。まさに出汁のお話ですし。
麺類については専門サイトも数在り、また薀蓄本も多く出ていますので、今更私が語れる事は少ないのですが、関西の方からご覧になって、江戸の蕎麦の出汁が黒くて香りがしないって話を良く伺うのですが、こりゃちょっくら誤解だったり致します。
ご存知の方も多いと思いますが、江戸期において麺の消費は関西においてはうどんが、関東においては蕎麦が主力となりました。蕎麦は元々、雑穀として粟や稗などと共にそのまま炊いたり、雑炊や餅として食されていて、蕎麦切りが一般の方に食べられるようになるのは、江戸の中期以降、つまり醤油が大衆に広がる過程と歩みを共にします。汁と麺の組み合わせは、新しい調味料を得て現れた新型料理だった訳ですが、ザッパに言えば、単価はうどんの方が高くて口の肥えた方向け、蕎麦は大衆向きだったんですね。
その際、街の拡大と度重なる火災復興のための土木都市であった江戸では、武家以外では比較的塩気の濃い江戸で開花した濃い口醤油が中心となり、洗練された食文化を持つ関西では、薄味のものが好まれるようになります。
また、江戸で外食自体が一般化するのは、開府から百年近く経った18世紀初頭からとなるのですが、外食の顧客は職人や作業関係に従事する人々が多く、当然、塩分を求めて辛口志向となり、これが二八そばに代表される、関東の蕎麦なのです。そしてこれは、ザルというかつけ麺ではなく、汁蕎麦です。
但し出汁が薄い訳ではなくて、濃い口醤油に負けないように、関西より強い出汁を取る事が一般的で、なので文献にも関西から関東に来た人達が、出汁が強すぎて下品だとの記述が多々見受けられる訳です。醤油が強いわけじゃないんですよね。
関東が出汁が強かった理由はもう一つあって、現在の鰹節は「枯れ節」と言われるものなのですが、これは明治になって開発された製法です。江戸時代も元禄期にカビ付け製法が一般化するまでは荒節か裸節で、運送の問題もあり煮出ししなければならなかったと言われています。そして、うす削りの花かつおで香り付けする、合わせ出汁の手法も、この事から江戸の蕎麦屋が起源と言われています。
18世紀の後半になると、屋台ではなく居売りの蕎麦屋(店舗を構えた店)が増え始め、こちらが江戸蕎麦の味の主力となって行きます。江戸蕎麦を大別すると、蕎麦殻も一緒に挽く色の濃い「藪蕎麦」の系統と白い実の部分だけを挽く「更級蕎麦」の系統があります。出汁はどちらも、蕎麦の香りを消さないように、昆布と鰹の出汁が一般的で、この頃から「蕎麦で一杯」という流れが現れて、現在の「モリ」や「ザル」のつけ麺が登場します。時代劇でお馴染みの、夜蕎麦売りが流行るのもこの頃からですね。
「モリ」と「ザル」は海苔がかかっているかどうかの違いではなく、元々は「モリ」は出汁の「かえし」に酒だけを使った辛口で、「ザル」は味醂を使った、ある意味関西風の味付けである「御膳出汁」であった事はほぼ間違いないようです。
蕎麦の味の変遷は2度あって、一度目は明治維新の際に失業した武士階級等が、手軽な商売として蕎麦屋台を開業したのですが、御膳出汁系では地方から出て来た労働者には味が薄すぎて、モリの汁を出汁に混ぜた処好評だったため、屋台蕎麦は江戸蕎麦から味が分化していったと言われます。もう一度は終戦直後でこれも同様な流れであったようですね。これはある意味で、首都東京の蕎麦の味かも知れませんが江戸の味ではなかったりします。
現在の蕎麦で江戸の味を伝える店は決して多くはありませんが、立ち食いや、大衆食堂のインスタント出汁を使ったものが、江戸の蕎麦の味ではありません。っていうか、そんな醤油の濃い出汁のない蕎麦を、酒を飲んだ上がりに食えないっす。
関西の蕎麦屋ではあまりお酒を飲んだりする習慣はありませんよね。江戸の蕎麦屋は出汁巻卵や、鳥ワサで一杯飲んだあと、上がりで食べるのが常態だった訳で、今でも汁蕎麦にも、蕎麦湯を出すのが普通です。香り立つ蕎麦と出汁の香りと味を是非お試しください。
お薦めのお店は数多くあるのですが、関西の方にも納得頂けそうなのなら、六本木の「ほんむら庵」あたりからお試しになられれば如何でしょうか?
僭越、平にお許しください。
追記 江戸蕎麦でお薦めのお店のご要望を頂いたのでちょっとだけ 神田なら「藪」よりは「まつや」(漢字忘れた(^^;; ダークホースは、池之端「巴」が良いと思います。 永坂更科は、江戸と言うより「東京」に近いですが、最近味が戻ってるみたいっす。
テキスト庵
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2001年03月14日(水) |
ユニクロを語るエコノミストって何? |
♪は~るの、うららのす~み~だ~が~わ~♪ にはまだちょっと早いけど、突然暖かくなってブラジャーの下の処が痒い、つきなみ♀です。って花粉症で少し湿疹でてるんだよね。いい女台無し。<=典型的虚偽の記述
それはともかく、どうしたの?マスコミ?いきなり日本経済破綻みたいな論調ばかり並べてサ。そんで〆の言葉が「そういうムードに流されて、消費が冷え込む事が問題だ」って馬鹿?お前が不安を煽っているんだろよ。
一昨日、日経平均が1万2千円を割ったとたん、異口同音に「日本売り」だとか「資本の流失」とか騒ぎ立てる。そして、したり顔のエコノミストが、デフレについて語る訳なんだけど、その際に物の値段が下がった例えに「ユニクロ」を挙げたりするのは、もう大洗い海岸、じゃなくてお笑いだよね。
ここの5月8日にちょっくらユニクロの事を書いているんだけど、これは元々日本の商業形態の特殊さに起因することが多い訳で、別にデフレの査証でも今後の物価下落の尖兵でもありゃしない。
ただ、日本の消費財系商業が曲がり角に来ていることは、そごうの破綻やチェーンストア協会・百貨店協会加入店&企業の長期的凋落傾向、そして最大にして最高のリストラおやじさんの受け皿としてのFC展開成功例、コンビニエンスストアの売上不振にも現れて来ている。これけっこう見落とされているけど、この数年のコンビニの出店効果による雇用と、設備投資による経済効果って、でかい。
現状がデフレスパイラルであることには異論はないけど、もっと着目して欲しいのは、日本の資金循環の特殊性だ。詳細にご興味のある方は ここの資料でも見て頂くとして、ざっぱに言えば、経済活動に資金が潤沢に供給されない根本原因に対する視点がすっ飛んでいる気がしてならないんだよね。
すげー極論すると、一度経済活動に投入された資金が、利息や返済金として広義の金融機関に還流してしまう。それもノンバンクやサラ金込みなんで、一応貨幣流通総額の変化にはあんまりつながらないいんで、経済指標に現れないんだよね。そして、安くなったと言われながらも、日本の土地、そして土地にお勃起っている、もとい、建っている物は値段が高い。家賃を含めてなんだけど。それだけならまだしも、ご存知のように貯金が増加し続けるのも、日本の資金循環にあるんだよなぁ、困った事に。
成長が右肩上がりな時は、この特性は余り問題にならない。ところが、今の様に日本経済自体がへろへろで、しかもグローバル化っつう名の元に、国別関税撤廃の方向がはっきりしているなかでは、設備の効率化による生産性の向上には限界がある。ぶっちゃまけた話、人件費と設備費とインフラやエネルギー料金の安い国や地域で生産された方が価格的競争優位性があるって事なんだよね。
それを可能にしているのが、ITだったりもするわけで、例えばユニクロの話に引っ張ると、海外にある縫製ラインの指示書や裁断指示、グレーディング込みの型紙でさへ、当たり前だがインターネットを介して即時に伝達が可能だ。バッチ処理した日別データ管理なんかじゃなくて、日本にいるコントローラーが、ラインの状況とPOSで上がってくる国内の販売状況を見ながら生産を行える。これに、「今期何本くらい仕入れしましょうか?」なんてやってるメーカーさんも、そんなメーカーさんが商談に来てる、スーパーや百貨店が価格や品揃えで対抗出来ないのは自明の理つうやつだ。ただユニクロにも大きな弱点があるんだけど、これは別の機会に書くね。
本来IT投資は、各産業が来るべき国際競争に対して準備すべき物だったつうか、その投資をしなくちゃ生き残れないよ、ってことだったはずが、携帯電話のリセールス屋さんや、まがい物を売るっつうか素人を騙してモール化するネット市場の株がとてつもない高値がついてみたり、訳の判らないインターネットを出汁にしたビジネスモデルばっか出願されてどないなっとるねん?ほんま。
マスコミが形成するムードは色々な流れを、残念ながら方向づけてしまう。だから、せめて報道と意見は分けて欲しいんだよね。特に今回のようなビジネス構造自体の大転機に、決断しないまでも文句はこくオヤジさんたちに、ITと言うもの自体を誤解させた罪はけっこうでかいんじゃないだろか?そんな、産業構造変化も掌握しないでテレビで語るエコノミストって何?
マクロとミクロを、いっしょくたにすんなって言われそうなのは判ってるんだけど、テレビに出ているエコノミスト様達は、知ったかぶりの知識で推論を組み立てているとしか見えん人がほとんどだ。っつっか、いくら民間放送とはいえ、投資顧問会社の人間やトレーダーに経済を語らせるなよ、恣意が入るにきまってるんだから。それさえ判らないで人選しているのか、公告量と連動してるのかは判んないけど。
さーて、思い切り鼻でもかんで寝る事にしよ。風呂は明日にして<=入りなさい! ってことでまたね!
テキスト庵
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2001年03月10日(土) |
決まり手は「丸投げ」?/森は枯れても権力構造は残る |
みんな知っていても、知らんふりしている必殺の決まり手に「丸投げ」ってのがあるんだけど、ご存知西田元自治大臣が使って、一瞬話題になった。勿論、相撲の決まり手でも、ベットでの帆掛け舟とか、松葉崩しとかの48手とも関係なくて、ある意味、今の日本の権力構造と利益構造を象徴している。西田せんせは「丸投げ」を使ったのは結局認めた訳なんだけど、「だからどないしたんや?法律違反やないで、ワレ!」と居直った。ってそんな言葉じゃないんだけど、雰囲気はそだよね。
タイムリーっつうかなんつうか、ちょうど週間モーニングの「カバチタレ」でも公共工事の丸投げを扱っていたんで、もっと盛り上がるかと思ったら、アッと言う間に新聞紙面からもネット上のメジャーなページからも消えた。なんだんねんこれ?
「自民党」の正式名は「自由民主党」なんだよね。本来「自由主義」を守りながら「民を主」とするって思想を標榜するわけだ。つまり「資本家」「資産家」「企業家」を含む権力支配階層を「主」とするんじゃないはずなんだよね。
自由主義はザッパに言えば、自由競争による経済を基にする。だから競争によって技術が進歩し、人々はより豊かな暮らしを目指し、勤勉に働くんじゃないかい、って事なんだけど、一処懸命に働くより、ノーパンしゃぶしゃぶ(古)奢ったり、ゴルフ会員権を貸してやった方が利益に繋がるなら、技術や生産性の向上を図って努力するより、そっちの方が簡単だよね。っつか楽。
今回の「丸投げ」事件を簡単に振り返ると、日本経済新聞2001年2月21日夕刊の記事がわかり易い。 (以下引用) 西田司元自治相(自民)が事実上のオーナーをつとめる建設会社「西田興産」が愛媛県発注のトンネル工事に絡み、別の建設会社に丸投げしていた疑いが強まった。 問題となっているのは同県八幡浜市などの「須田トンネル」工事で総事業費は約19億円。西田興産は下請けに出す際に約3億8千万円の利益を得ていたが、現場に技術者を一人派遣しているだけだったという
いいよななぁ、儲かって。って良かねぇだろ!公共工事の入札は、一応様々な法律に縛られている訳なんだけど、それでもこんな感じで、しかもこれは法律違反ではない。最低入札価格が漏れていれば別だけど。ってホンとに漏れていないのかなぁ、ってのが私の本音。談合かもしれないし。想像だけど。
ちょっと考えて頂きたいのは、公共工事でもこうなんだから、純民間の企業が発注する仕事ってどうやねんってことだ。建前は、民間企業は利潤を追求するのでそんな事は出来ないっつうか、しないって言われる訳なんだけど、じゃ、色んな会社の決算書に出て来る「使途不明金」よりは課税面を考えても、その分上乗せしてでも「仕事」として出した方が良いっていうか、合法的かつバレても言い逃れできるって事は、みみずだっておけらだってアメンボにだって生きていさえすれば判る。別に友達じゃなくたって。
挙げれば切りがないんだけど、土木建設より最近丸投げの標的っつうか土俵になっているのはアドバダイジングっていうか公告出版関係だ。これこそ、原価が曖昧な上に、「クオリティ」の評価が出来難いので、公共関係でも原則入札対象になっていない。しかも、「憧れの業界」って事でおぼっちゃまやお嬢様の巣って事は周知っていうかこれも暗黙の了解だったりするんだよね。
ただこれは、丸投げよりも「空投げ」っていうか実態のない編プロとかに投げるケースの方が比較的多くて、ある意味現金をタダで上げちゃうんだよね、仕事名目で。インタビューや本人は書かない原稿料もそうだったりするんだけど。
これを法律で規制するってのは、ちょっと難しいかも知れないけど、せめてマスコミは突っ込んで欲しいよね。って絶対突っ込まない。なにせ、その上がりで商売成り立っている訳なんだから。今の所は。
日本の経済が元気いいときは、それでも銭は回る。なんだか、ホントに国際競争で戦っている企業は、ある意味日本のこういう体質に諦めを持ってしまっている処も怖いよね。
森さんは辞めても、なんも変わることはない。今日のNHKの政治討論でいみじくも亀井静香、自民党政調会長が、「2世議員や労働組合エリート議員ばかりの国会で議論しても庶民感情からは遊離する」って趣旨の事を言っていた。少なくても権力者が個人としての権力を維持することに主眼を置くのではなく、ちょっとぐらいは政策にも興味持って欲しいよね、って極論だけど。
なんか長くなったので、今日はこれまで。マトマラないのは花粉症のせいって事で陳謝。
じゃ、またね!
テキスト庵
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2001年03月07日(水) |
コンサルタントは狐なのか猿なのか?第三セクター |
ってことで、コンと鳴いて人を騙し、実は猿ほどの知恵も出しちゃいなんじゃないかい、コンサル屋!!つうのが今日のお題なんですよ、旦那。っつうかベタでもうすみませんby林家三平師匠(古
それはともかく一昨日の日記にも書いたんだけど、昨今話題の破綻した第三セクターや汚職まみれ補助金事業で誰が儲かったんだい?って事をもうちょっと。
ちょうど昨日、東京12チャンネルじゃなくて、TV東京でも第三セクターについての簡単な特集が放送されていたんだよね。取り上げられていたのは、荒尾市(熊本県)のアジアパークと大鰐町なんだけど、当たり前だがどっちもボロボロっつか廃墟になっている。
アジアパークってのは団体旅行で台湾へ行った方なら嫌でも連れていかれる「小人国」のこれまたデフュージョン版っていうかパクリ企画プラス遊園地っていう施設だったんだよね。場所は三井グリーンランドっていう九州ではでかい遊園地の近所だ。ちなみにこっちは現在グリーンランドリゾートって事で、ウルトラマンランドと九州ワンワンランドもあるし、老舗として今も元気にぼちぼち営業している。
本論に関係ないんで、詳細は省くけど平成9年8月に市と民間主要株主2社が再建をかけ負債約30億円の肩代わり金融支援に踏み切ったんだけど、なんと1年半後、市の補助金凍結が引き金となり解散に追い込まれた訳だ。これは、下関の日韓高速船訴訟原告勝訴の影響だとの説もあるんだよね。
係争中なんで、実名は避けるけど、当然立地調査から運営にまで「コンサルタント」さんが多数介在している。アドバイサーっていう訳のわからん人物もいたりして、当たり前だけど費用が発生しているんだよね。そういう人たちや企業がどのような経緯で選ばれたのかってのが、これまた新聞も突っ込まないのが不思議っていうか、一言付け加えれば、マスコミ出身者がほとんどがこう言うケースの場合に含まれているのが現状だ。各種委員会系にも言えるんだけど。
狐や猿にも当然問題はあるんだけど、狐使いや猿使いがいるんだよね、なかなか表には出て来ないけど。虎の威を借りたコンと鳴く猿は絶対責任を取らない。っつうか元々なんも仕事しないで、えーかげんな調査資料と称するゴミの束で金をかっぱらう。
勿論ちゃんとしたコンサルタント様もいっぱいいるんだけど、少なくても破綻した第三セクターや、公金をぶち込む事業のコンサルの実名と内容については、情報を開示すべきだと思うんだけどな、ケーススタディーを徹底する為にもね。
ってことで、今日は吉牛食って、ちょっと昼寝すべ。 じゃまたね!
テキスト庵
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2001年03月04日(日) |
誰が儲かるのか?第三セクターについてちょっと。「俄・難波遊侠伝」など←なに? |
つうことで、もうかりまっか?ぼちぼちでんなぁ。とも言っていられない昨今のつきなみ♀です。
ご存知シーガイアの実質倒産で、俄かにと言うか再度第三セクターが注目されている。そ言えば、「俄・浪華遊侠伝」って司馬遼太郎さん原作で、ドラマの王道、木下恵介監督の「人間の歌」シリーズだったんだよね。監督は 千束北男さんなんだけど、この方はウルトラQとウルトラマンの脚本・監督として名高くて、ちなみに「金曜日の妻たちへ」シリーズのプロデューサー・監督、そして 今やOLのカリスマと言うか一番絞りのねぇちゃんというかの、中山美穂リンのおっぱいポロリで有名な「毎度お騒がせします」の企画者としても有名だ。って関係無いけど。
それはともかく、第三セクターっつうのは、中曽根さんが首相だった時代に「民間事業者の能力による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法」(昭和61年)ってのが基になって、「第三セクター」という奇怪と言うかリスクヘッジと言うか責任誰が取るンやねん?っていう手法が取られた。
一応その主旨ってのは、「第三セクターとは民間企業と公共団体の共同出資による事業体(株式会社)であり、公益的な役割を担うと共ともに収益事業を実施しようというものである」って事なんだけど、「民間企業の経営ノウハウと公共団体の社会的信頼性を背景として、公益性を発揮しながらも自立し得るという理想的な自治体として運営される事が期待されている」ってはずが、実際にはそんな美味い話はないわけで、現在、経営自体がヤバヤバな法人いっぱいだったりするんだよね。
問題は、すげぇーいっぱいある訳なんだけど、特に指摘されるべきは出資に至る経緯と第三セクターの職員構成なんだよね。これはしつこくて申し訳ないんだけど公益法人の問題ともリンクする。
勿論、地方自治体が出資する場合は法にのっとった手続きは必要なんだけど、その首長は当然選挙で選ばれる訳で、それを審議する地方議員さんも選挙で選ばれる。そして第三セクターの職員は、どうやって採用されどのような身分保障かってのは推して知るべしっていうか、見事に公益法人のケースとリンクしている事が多いんだよね。勿論、ちゃんとやっている処もいっぱいあるんだけど、困った事にそういう処に限って給与が安かったりする。何なんだよいったい?
いまいち知られていなかったりするんだけど、下関の「日韓高速船株式会社」に対する市民訴訟は1998年山口地裁で原告勝訴の判決が出た。被告は前市長である亀田博氏で被告補助参加人が下関市というある意味珍しい構造だ。判決主文を引用すると 「被告は、下関市に対し、金八億四五○○万円及び内金四億六五○○万円に対する平成六年七月九日から、内金三億八○○○万円に対する同年八月一四日から、いずれも各支払済みまで年五分の割合による金員をそれぞれ支払え。」
ってもんだ。訴状の内容を大雑把に括ると訴訟自体の対象は
「破綻した第三セクター・日韓高速船㈱に対して、それも手形の連帯保証人などをはずすためなどの債務整理のため支出した下関市補助金は、地方自治法に定める『 公益上必要ある場合』という要件を満たしておらず、違法・不法行為である」
って事なんだけど、勿論ほんとは設立の経緯や運営にも問題があったから、破綻したのは言うまでもない。
そもそも、象徴的なのはこの事業はバブル真っ盛りな平成元年に「関釜高速船就航実現に関する決議」を市議会は全会一致で採択した。そんで三菱総合研究所に可能性調査を委託した回答は「高速船は充分な採算性が見込まれ、近い将来、優良事業に発展する」って言うんだから驚き、桃の樹、山椒の樹ってなもんだ。大丈夫か?牧野昇さんの経済評論を有難がっているおとうさん達!
そんで出て来るのが「社団法人下関21世紀協会」ってやつで、これにまた下関市も出資するは、一時期は職員を派遣するはで、何をか言わんやなんだけど、こいつが第三セクターの推進役ともなって行くんだよね。今は理事長と専務理事だけになってほとんどなんにもやっていないんだけど。ちなみに現理事長様は地場の大手工務店の社長さんなんだよね。って別にこの人が悪い訳じゃないんだけど。
今年の3月には広島で高裁判決が出るはずなんだけ、この教訓っていうか構造は第三セクターの姿を象徴しているような気がする。
「俄・浪華遊侠伝」は幕末から明治の動乱期を生きた侠客、明石屋万吉の一代記だ。司馬作品としてはどないやって気もするし、ドラマは木下恵介劇場の中では、無茶苦茶視聴率が悪かった。すごい大雑把に言えば豪快で魅力的な人物像なんだけど結局子分が増え、勢力が増すと色んな勢力に利用されるようになり、しがらみに巻かれてゆく。司馬氏も一生を追わずそこで筆を置いているんだけど、日本的な、しがらみに巻かれた政治のままで、ほんとにやっていけるんだろかいな、なんて思いながら、インスタントラーメンが煮えたのでまたね<=おい!
テキスト庵
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吹きこぼれそうになった牛乳は、カフェオレにしても少し香りが残る。それでもトーストは上手く焼けて、すこし機嫌が直りかける私が、鼻歌交じりにひねったマーマレードの壜は空っぽで、もう一度ベッドに倒れ込んで、今日をすこし憎む。
頭まで蒲団をかぶって出来る小さな闇は、ふたたびの眠りに誘うほど深くはなく、捨てて起き上がるほど、疎遠でもない。
やらなければならない事が頭をよぎる。したくない気持ちが胸に込み上げる。
どちらも勝も負けもしないうちに、今日が終ろうとしている。少しだけ私は働き少しだけ先送りにし、少しだけ諦める。ふと思えば、いつもと変わらない曖昧な今日がそこにあった。
テキスト庵
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2001年03月02日(金) |
上巳(じょうし)の節句は厄払い!予算実質成立88兆円、長期債務残高690兆円、サラ金貸出残高9兆円 |
灯りを点けましょぼんぼりに~♪お花をあげましょ、桃の花~♪って歌っている場合じゃないんだけど、今日は桃のっつうか上巳(じょうし)の節句なんだよね。早い話が厄払いの日だよってば。残念ながら厄は払えるどころか、鬼の形が益々明確になってくる昨今、皆様如何お過ごしでしょうか?なんちゃって。
それはともかく、予算は祝儀院、もとい衆議院通過しましたよ、4月にほぼ退陣が決まった森内閣で。ってどないやねん、それって?信頼はしない、もう引っ込めって人が首班として作った予算は認めるんすね、国会!変な話だまったく。
確かにETに似てるって事で憎めない気はするんだけど、昭和の高橋是清こと宮沢さん去年の6月に経済見通しについて何ていってたんだよ、おい?ってそもそも「平成13年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」(2000年12月19日閣議了解)には
以下引用 >我が国経済は、平成10年には、「不況の環」とも呼ぶべき厳しい状況にあった >が、同年11月に決定した「緊急経済対策」により、デフレスパイラルに陥りかね >ない危機的状況からの脱却に成功した。その後、平成11年11月に決定した「経済 >新生対策」の推進を通じ、景気回復の一段の推進と経済社会構造の改革の実現に >努めてきた。こうした政策の効果もあって、経済は企業部門を中心に緩やかな改 >善を続けている。
ほへ?この認識に立った予算が成立するんですか?平成10年と今とどっちが厳しい状況かの認識かはこれでいんですか?つうかヨカネェダロよ!興味がある方は是非こっちで全文読んで欲しいんだけど、ちょっとと言うか思い切り脱力する。
ご存知のように国と地方を併せた長期債務は順調に(?)増加していて、700兆円に迫っている。ここで忘れてはいけないのは、よく持ち出される「日本の個人資産1380兆円」ってやつなんだけど、当たり前だが、これには長期債務額の中の海外銀や海外投資家が持っている国債以外は含まれているんだよね。
そんで、取り敢えず今のみんなのっていうか国民の預金は預金保険機構で保護されているんだけど、その勘定は平成12年3月末現在で、△18,967億円となっていて(預金保険機構債券発行残高 6,000億円を含んでも)その後金銭の贈与(破綻金融機関の債務超過の補填等のために救済金融機関に交付されるもの)の大口だけで旧日本債券信用銀行(あおぞら銀行)に3兆1,414億円、旧幸福銀行(関西さわやか銀行)に4,941億円なんかがあるわけで、その前の日本長期信用銀行は3兆2,391億円(後減額して3兆3250億円)だったんだよね。大丈夫?っつうかホンとに健全なの?このやり方で?
失業率が過去最高になり、株価は15年前の水準に戻っちゃって、ある意味経済実態さえ読み間違った国家予算が、不祥事の騒ぎに紛れて、ほとんど議論されないで成立しちゃった。そしてサラ金の貸し出し残高は10兆円に迫っていても、取り敢えず今日は暮らせているんだよなぁ。
ある意味、日本は戦時中と戦後の僅かな時期を除いて、国民の大多数が鬼っつうか地獄を見た事がない。だから、北条時宗さんなんつう人が「未曾有の危機を乗り切ったリーダー」なんっつう事になるんだよね。厄払いの対象にするのは、森さんじゃなくて、政治に政策実現じゃなくて、権力や栄誉だけを求める政治屋さんとその人達が作り上げたシステム全部だと思うんだけど。
なんちゃって。
さて、白酒でも飲んで寝るかな。ドブロクなんだけどほんとは<=犯罪です。 って事で、またね!
テキスト庵
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