| 詩寄。『カンガイ』...lassie |
選択 - 2001年08月31日(金)
あなたに抱かれて気付く
もう戻れない胸の中
体の中に溶けていく
呼吸出来ないときと同じ苦しさと不安
それでも私は選ぶ
あなたと二人
笑っていること
...
隠蔽 - 2001年08月25日(土)
ぎゅっと力を込めたいのを抑えて
気づかない振り
そっと触れた手が
思わず掴みそうになり
不自然にかわす２つの腕がある
暗黙の諒解
認めたくない事実
隠せないから
また触れる
指と指
肩と肩
唇と唇
何も言わないで
気づかない振りして
...
黙認 - 2001年08月23日(木)
楽しさの裏側から
哀しい言葉は何？
率直に
何も考えてない振りして
笑っていたけれど
君の迷い
見逃してない
迷うのは
あたしの為なの？
うぬぼれてもいいですか
過去のある日の違う君より
シリアスな顔が増えた君は
きっとずっと力強く
あたしをホールドしていた
間違ってないよ
それでも
また
同じ顔しか
見せてくれなかったね
冷たすぎる君に泣いていた
あの夜
優しすぎる腕が不安にさせる
今夜
選択の結果は今日もぼんやり私鉄の音にかき消して
定められた答え
言えない君
聞こえないあたし
...
待機 - 2001年08月21日(火)
ここで待っていてと君に言ったとき
少しくぐもった声で
いいよ
と答えたこと
今でも覚えているから
君の笑顔が特に哀しそうに見えるよ
いつまでもここにいるよ
なんて
止めておけば良かったんだね
君の声が
とても穏やかで
不安になるから
...
液体 - 2001年08月20日(月)
青い水の中
呼吸はだんだん
苦しくなっていく
あふれ出した空気から
はかりしれる圧力
意識のあるうちに
心臓を貫いて
あなたの手なら
心地よいはず
呼吸がだんだん
苦しくなっている
意識のあるうちに
窒素を分けて
青い水の中
...
発見 - 2001年08月14日(火)
懐かしさを感じたくて
思い当たる場所へ行ってみた
大切なもの
大切な人
大切な時間
その時そこで確かに感じていた自分を
思い出して笑うため
！
どうして
まだ
こんなところに残ってたんだろう
懐かしいのじゃなく
あの頃の
そのまま
大切な、、
...
成長 - 2001年08月11日(土)
強情で
外では決して泣くことの無かった少女は
１０年経ったある日
初めて声を殺して
泣くことを知った
涙は
音もなく流れることを
知らなかった少女は
自分が泣いていることに
気付きもせずに
初めて恋を自覚した時から
１０年経ったある日
少女は
愛の悲しさに
涙を
落とす
...
雑踏 - 2001年08月03日(金)
君が背を向けて入っていった雑踏は
君には全然似合ってないと思った
どんなに込み合った都会の駅の改札の前でも
溶け込むことは決して
無いことは
君を知った時から
朝の通勤電車の中
君は笑った
半年振りに見せた
笑顔だった
スクリーン一枚
隔てた向こう側で
...
死角 - 2001年08月01日(水)
あたしがいつも通り笑い掛けると
君の顔は記憶していたそれではなかった
ひとつひとつの言葉から響く聞き慣れたはずのトーンも
何故かあたしを焦らせるには十分な波長をもっていた
今日の君は
いつからか見慣れたはずのものとも
つい最近知った冷酷で厳しいものとも
全く違う目をしていた
理由なんて無いこと分かっているのに
どうして？
なんて聞いてしまうのは
どうにも動かせない事への確信だったのだろう
それを知っているのか
今の君は
とても悲しそうな目をしている
まっすぐ延びた道は
ずっと前の方も
ずっと後ろの方までも
見えるのに
何故か君の姿だけが見えなかった
何度振り返っても
何度目を凝らしても
もしそれが優しさなら
意地悪だね
最後
...
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