miscellaneous thoughts
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試しに花を摘んでみた
だけど、手に入れても私のものにならなかった よそよそしく香るだけだった
あのとき、花は私たちのものになった
甘い匂いをずっと残した
それはもう、あなたが誰かのもので
私が誰かのもので
新しい記憶は殖えていかないのと同じように
掠めて、ぼんやりした
記憶の匂いはさらに色濃く
この季節になると思い出す
しっとりしたバラの花びらの湿り気を なめらかなやわらかさを 甘いにおいを
照れくさくて、恥ずかしくて 手当たり次第に、バラの花びらを摘み取って歩いたんだ
ずっと望んでいたことが起こった夜に
朝になっても醒めずに あたたかかった
匂いの記憶はなかなかうすれない、 と、会社に入ってから勉強した
嗅覚に引き戻される
花に残る、人と、事
あまりに鮮明で DVDでも観ているのかと思った
光りの粒子がきらきらして眩しかった
肯定的に誰かを好きとおもうこと
強く思いすぎて 視線が宙にうく
ただ一度だけ、ふれたいと願う
願いつづける
ruriko
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