どうにかこうにか、生きていて。 悩みのなさそうな顔をして、毎日をやり過ごしています。 今は現実から逃げるように、実家に世話になっています。
結局、るうは元の病院に移しました。 信頼できる鳥の専門医です。 先生は、大げさなギプスだと軽く笑った後。 片手でかるくるうをつかみ、器用にはさみで取り除きました。 やっぱり、早くにつれていくべきでした。 脚は曲がったままついてしまっていたのです。 父も、動物病院も、最善を尽くしてくれました。 だけど。 それは、彼らにできる範囲のことで。 るうにとっての最善では、なかったのかもしれない。 今はとても元気にしていて。 怪我なんてしていないかのように、暴れて、甘えて。 それでも、差し出した手にかみつくその痛みに。 やりきれない思いがこみ上げてくる。 人の手を恐がるほど、大変な思いをしてきたんだ。 あんなに手の上の好きな子だったのに。
明日は、自分の病院へ。 なやみをひとつ、減らしに行ってきます。
きっと、もう何もかもが手遅れなのだ。 骨は溶け、肉は腐る。 るうももう、飛ぶことはない。 ただ、どうしようもない絶望感に包まれて。 今日も一人、闇を恐れる。
るうのあしがなおらない。 まだ、切断面が近づいてさえいない。 このまま治らないんじゃないか。 今の先生に果たして鳥が診れるのか? 良いひとだとはおもう。 だからこそ、言い出せない。 前の病院に変えるべきか悩んでいる。 身体の調子は悪く、あっちもこっちも心配が尽きない。 どれも放っておいたってよくならないことは実証済み。 不調を抱えながらの毎日は苦痛。 丁度そんな時期に差し掛かったようで、精神的にも不安定。 不調は不安を呼び、不安は不調を呼ぶ。 どうしようもない悪循環の中で、昼夜逆転生活に苦しむ。 今のあたしには、時間が足りないのに。
るうの固定が取れかかっている。 病院に連れて行かなければ。 明日はやっと、自分の病院にいけると思ったのに。 一体、あたしのなかで本当に急を要するのはどの病院なのだろう。 るう?からだ?それとも、こころ?
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