詩のような 世界
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ああ 俺は阿呆だよ どいつもこいつも利口だね 万歳万歳
ついていけないんだって 大量の薬がないと 耳の穴塞いでよく聞いてね
もう、俺を、液体にして、放置するかしないか
しないなら ねえ 凸と凹結合させない? リンゴの木の下で きこりのオッサンしか見てないからさ いい気持ちにさせてやろうぜ いっそ3人でゴートゥーヘヴーン
何もかも忘れてさ、思考能力、捨てて
身体が重い いつのまに俺は錘を背負っていたんだ 過去のノートを捨ててもいいかと おまえの腰骨に 問わない
気持ちいいことエンドレス 脳内を砂糖色に染め上げる 涎をたらし痙攣する桃色娘を 一気に殺す 白く細い首はあっけなく
愛していたか、なんて、世界一下らない質問
俺はおまえの屍を うずたかく積まれた錘の上に投げ置く
利口になるために? 阿呆になるために?
おまえは液体にはならない 錘も液体にはならない だから俺も液体にはならない
きこりのオッサンは、ベルトを締め、何事もなかったように
木を切る 切り続けて 彼は笑ったまま液体になれる
2003年03月17日(月) |
Your style |
いつも寂しさと背中合わせで それが「自分」なんだ、と 君は強く主張するのだけれども
童話を読んでいるとき 目に涙を浮かべるほど幸福そうだ 君は夢の国だけを信じている
歩き出す前に背中を押されてしまう 君は必要のない恐怖にまで付きまとわれ 立ち止まりたい欲望を必死に殺す
上手に敵をつくれないのは 誰にも失望してほしくないから 君の口が器用に動かないのもそのせい
強がっていないように見せる強がり 君はコップの水を一滴もこぼさないように 涼しい顔をしながらこれからもゆくのだろう
目に映るのは
渦を巻いた宇宙
のようなもの
吸い込まれろ
吸い込まれろ
灰も残すことなく
馬鹿みたいに
どうしても
気持ちの悪いことばかり
この頭も
ぐにゃぐにゃして可笑しい
頑張ればいい
死ぬまで生かされる
死にたくないから死なない
同じだよ
身体も心も風化したら
艶やかな木になり
香る花になり
光を注ぐ空になり
だけど春はいつまでもやって来ない
吐き出したい言葉は 脳内を駆け巡り わんわんと鳴り響くけれど 声にはならない
誰かを探し続けている 飽きることなく 時々泣きたくなりながら
それはもしかしたら 自分の愛すべき理想像かもしれない 皆に頭を撫でてもらえて 口癖は「幸せなの」だったりして
破片さえ見つからず 触れることなどもってのほか
「本当は」
正統派ぶった階段の影に怯えた 何よりも輝かしい未来
「欲しい、欲しい、欲しい」
わんわんと鳴り響くけれど 声にはならない 吐き出したい その言葉
黒いワンピース、着たら 烏をひたすら追いかけよう そうしたら闇夜に混ざるかな 寂しい子にだけ指を差される 一筋の薄いひかりになって
もともと肉体なんてなかったよね 風に乗ってルルルルって 世界中を旅していたのかもしれない 太陽や緑のにおいに包まれて ゆらゆら流れる日もあれば 凍えそうな嵐にもまれ あっけなく吹き飛ばされる日もあったりね
終わりがきて ちゃんとひかりになれたら 今度はわたしが原子である「誰か」を運ぼう できることなら いつまでも明るい街に
2003年03月07日(金) |
A quiet sleep |
冷たい土の上でしか熟睡できない
枯れた雑草を見れば
潤う小鳩が胸を舞う
朱の空っ風にすべてが流されてゆく
僕は宇宙の塵だ
偽りの爪を
この頬に食い込ませてよ
染み出る血液が何色でも
少し驚いたように笑って
幾度となく受け入れて
ね……
さよなら
約束なんかしなくても
必要だと言ってくれるのなら
また会えるものだから
そうしたら両手を絡ませ
今度こそ静かに眠りましょう
お休みなさい、と
重なる声
教室のベランダに 優しい君を連れ出せば 幻の虹が幻をつくり 色とりどりの空が降った
当然のように 衝動的に 君の胸に体をねじ込む その腕で あらゆるものから守ってほしくて
最上級の安心感 思わず依存しそうになる ある種の人だけがもつ保護力 可愛くない人を可愛くしてしまう君
ここだけ、と勘違いしそうで 何も言えなかった どうして君を好きじゃないんだろう 好きになりたくてたまらないのに
だから黙って 虹が消えていくのを見ているしかないんだね 君は微笑み 私は嗚咽を漏らす
永遠に
そこにある蛇口をひねったら 塩素臭くも錆び臭くもない ただの黄色い水が流れ出た
と思ったら
あっという間に目の前がまっ黄色に染まり 僕の肌も隙間なく黄で どうしても黄色い悲鳴を上げることになった
きゃあー きゃあー
ああ楽しい ああ悲しい どちらにしても 1色だけって美しい 限りなく純粋で 限りなく危険だから
僕も君もあいつもあの子も 複雑なイロなんか捨てちまえ!
無駄な選択肢なんかいらない 本質さえ見逃さなければそれで いい。
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