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■ 蜷川ハムレット
シアターコクーンで藤原ハムレット観てきました。 面白かった!判りやすかった!
メインの4人の若さが物語を切なくしとりました(涙 大人たちの邪念と狡猾さに翻弄され、誤解と純粋さゆえに悲しい復讐劇の 表舞台に立たされる彼らの姿が哀しくて美しいのです。
藤原くんは凄いなぁ。 圧倒的な存在感です。見た目の美しさもありますがハムレットの一挙一動足に 目が離せないと思わせる力があります。なにより台詞が心に響く(><。 なんだろう、これは。 今までにも何人かのハムレットを観ましたが、彼の言葉にリアル感を感じたの は初めてでした。詩のように流れる数々の台詞がただ美しく耳を楽しませる だけではなく、ハムレットの心情を、戸惑いを、決意を、ストレートに伝え て来ました。 これも今回のキャストの若さゆえでしょうか? 今までのくづきが観たハムレットたちは皆さん全体に余裕がある雰囲気の ハムだったんです。追い詰められているような閉息感があまり感じられない ので、観ていてどうしても「他人事」のお話しという印象がどこか残って いたんですわ。(それはそれで良いのですが) 藤原ハムレットは観ていて胸が苦しくなる切なさがありました。 オフィーリアの事を想っているがゆえの「尼寺へ行け!」に泣きそうになった よ、私。 墓場でのホレイシオとの仲の良さも良かったなぁ。この2人ってかなり対等な 関係だったんだなぁと思い、それがラストのホレイシオの幕引きの台詞への 伏線になっていて「ホレイシオ!あんたホントにいい奴だ〜!!!」とウル ウルしてしまいました。(お恥ずかしい)
井上レアティーズも良かった。妹思いのお兄ちゃん。最初のオフィーリアと のラブラブっぷりと後半での嘆き方がいいです。 墓場のシーンでは一瞬ハムレットの言葉が届くのに、クローディアスのせいで 2人は和解出来ずに更なる悲劇へ・・・というのがレアティーズの表情から わかってイイ感じでした。
オフィーリアの鈴木杏ちゃんは「お姫さま」って雰囲気ではなかったです。 大草原の少女?ついこの間までは野山を駆け回っていたような感じのお転婆 姫ですね。そろそろ乙女らしくするように!とパパに言われておしとやかに しているけど、まだ板についてないって感じ。 ハムレットが通ってきてるのもそういうところが好きだったのかな、なんて 思ったりしました。 なのでハムレットから彼女への「お前は自分の心に誠実か?」の問いが痛い。 オフィーリアの心が壊れていくのは重なる悲劇のせいだけじゃないような 気がしました。狂気に堕ちるのもハムレットと同じ側に立ちたいと願った 結果だったのかも。 旅芝居の後の混乱の中で必死にハムレットに手を伸ばす姿にズキュン。
ラストでハムレットの亡骸にフォーティンブラスが口付けする演出に蜷川さん の作品への愛を感じたっス。(ワハハ) 今回の席は舞台裏側、ステージの奥側だったのでフォーティンブラス絡みの シーンではあまり彼を見られない、後ろ姿ばかり・・・という場所でした。 なので彼についてはあまりコメントなしです。
子供たちが純粋な分、大人キャストにもっと威圧感というか言葉に出来ない 影みたいなものを感じられたらなぁと思いました。 ガートルードの高橋恵子さんは「母」よりも「女」の色香が漂っていたので 好き。
12月にもう一度観に行きます。
2003年11月22日(土)
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