最近よく夢を見る。
悲しい夢。 嫌な現実を脚色した、 悪い夢だ。
べとべとした他人の感情が まとわりついて、
息苦しい。
脳が、飢える。
だけど。これに負けてはいけない気がして、 …一緒に堕ちてはいけない気がして、
嫌なものを思い出さないように、
私は祈る。
外からは汚されないように。
指先まで。
たったひとりで歩く世界は、 足元を見ても、先を見ても、 後ろを振り返っても尚、 四方八方、白いままで。
あるのは頼りない白い光。そして私の手。 私の目。
ぼんやりと。
…進めど進めど広がる世界 追いつかなくても。
保障のある人生なんて何処にもなくて、 私自身頼れる物も見つからないから、
私は、この手に触れる。 この目に映る。
広がる世界を、光の方へ。
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