無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2004年07月06日(火) 「ストーカー法」に引っかからないストーカーの仕方

 ちょっとこのことは日記に書こうかどうか、かなり迷ったのであるが、今更隠しておくのもどうかな、と思ったので、書いておくことにした。とは言え、各方面にメイワクかかるといかんので、固有名詞は匿名、ないしは仮名にしておく。
 今日、職場に一通のハガキが届いた。送り主の名前は一応、旧知の人物の名前が使われていたが、おそらく勝手に名前を借りられてしまったものであろう。内容は、私が本当は泥棒なのだとか変態なのだとか、下品で低劣な中傷なのだが、もちろん根も葉もない事実無根のものである。
 匿名ではあるが、差し出し人が誰かは承知している。十数年前、演劇活動を通じて知り合ったある人物で、かなりオタクな人である。『ファントーシュ』を創刊号から持ってたり、『アニメージュ』『Newtype』『宇宙船』は言うに及ばず、懐かしの『SFマガジン』『SFアドベンチャー』『SFイズム』『SF宝石』(^o^)『奇想天外』『ふゅーじょんぷろだくと』『OUT』『ふぁんろーど』『ぱふ』『リュウ』『DUO』『花とゆめ』などなど、その人の部屋の中は数々のアニメ、特撮、SF雑誌に埋め尽くされ、もちろんマンガの単行本も山と積まれていて、SF小説はハヤカワの銀背がズラリという年期の入りようであった。棚には怪獣、美少女、ミリタリーのフィギュアが処狭しと飾られ(市販のものに改造を加えた自作)、モデルガンの収集も押し入れに何10丁、オーディオ関係も当時の最先端機器を常に取り揃え、LD(当時はまだDVDはなかった)コレクションも既に何千枚という、私がこれまで出会ってきたオタクの中でも、最高の部類に属する超濃い目のオタク氏であった。仮に彼をオタ氏と呼んでおく。それだけのコレクションに相当する該博な知識の持ち主で、その点では尊敬に値する人であったのだが、如何せん、性格がむちゃくちゃ歪んでいた。
 ともかく、ヘタにアニメや特撮、演劇、映画などに造詣が深かったのが災いしたのである。若いころ、自主アニメの製作・監督をしたことがあり、当時、それが今や世界的なアニメ監督として評価も高い某氏や某氏などにアニメ誌上で賞賛された。そのことがその人をすっかり「プロ気取り」にさせてしまったのだ。若くして天狗になった人間が周囲から疎まれるのは世の常で、知識はただのヒケラカシとしか映らず、批評や意見はただの高慢としか解釈されなくなった。結局、当人に実力があるにも関わらず、オタ氏はアニメの道にも映画、演劇関係の道にも進まず(進めず)、関係者の間を渡り歩くような「アニメゴロ」「演劇ゴロ」になってしまった。今更言いたくはないが、その人が勝手な行動を取ってくれたせいで、私は熱愛するファンであった俳優のA氏とも縁が切れてしまった。
 それだけならともかく、他人が常に自分を陰で笑っている、と思いこんだ彼は、自分の気に入らない人物の周囲に、匿名で中傷のハガキをばら撒き始めたのである。その激情たるや常軌を完全に逸したもので、被害にあった人物は数10名、毎週何10通ものハガキを各方面にばら撒き(私に関するものでも100通以上に上る)、あいつはこんな変態だ、あいつはこんな人非人だと触れ回るようになったのだ。
 オタ氏と知り合った当初は、私は決して仲が悪かったわけではなかった。彼のそういう「行状」を知らなかった私は、多少エキセントリックな言動が鼻につきはしても、ユニークな人だな、くらいに軽く考えていたのである。
 ところが、世間に受け入れられない鬱屈がオタ氏の精神を蝕んでいったのだろう。その言動は次第におかしくなっていった。曰く、自分には霊の世界が見える、異次元との交流も可能だ、天候も自由に操れる、念じれば人の命を奪うことさえ……。
 正直な話、だんだんと気持ち悪さすら感じてはいたのだが、まあ日本は信仰の自由はあるのだし、それと人格は別であろう、とのんきに考えていた。「ああ、そうですか」と相槌を打っていれば、別にツボだの印鑑だの売りつけてこようとはしなかったし、実害はない、と高を括っていたのである。
 例によって例のごとく、オタクのトラウマとなったあの『エヴァンゲリオン』騒動のときには、オタ氏は完全にアレにハマッていた。どれくらいかというのは、それこそ1話放映されるたびに真夜中に必ず電話がかかってきて、アダムの正体はどうの、補完計画とは何か死海文書とはどういうものか、とウンチクを垂れまくるのである。「明日仕事なんですけど」と言って電話を切ろうとしても「こんなこと話せるのはアナタだけなんです」と泣きつかれてしまって、無下にも断れなくなってしまう。ヘタすりゃ3時、4時までお喋りにつき合わされていたが、そのころ私がカラダを壊したのは、確実にこの人のせいもあった。
 そんな風に私に甘えておきながら、オタ氏が『エヴァ』のLDボックスを予約しないで買い損なったときには、私が入手したことを知った途端に激昂して、「アンタにエヴァの何がわかるか!」と怒鳴ったりするのである。そんなヤツアタリをされたって、私にはどうしようもない。あと、吉田秋生の絵柄が大友克洋の影響を受けて変化したとき、そのことを言ったら、吉田秋生ファンで大友克洋嫌いのオタ氏、やっぱり激昂して、そのあと泣き出してしまった(-_-;)。
 つまり、オタ氏は常に自分の意見は正しいと思いこんでおり、批判を一切許そうとせず、反駁されればヒステリックに騒ぎ出すという、痛いオタクの典型のような人だったのである。実際、一度ヒステリーを起こすと、髪を振り乱し、奇声を上げ、壁に頭を打ちつけ、全く手が付けられなくなっていた。しかし私は、そんなオタ氏を見ながらも、まるで『山月記』の李徴のようだ、と思い、その姿に哀れみさえ感じて、なかなか縁が切れなかったのである。
 しかし、ある日、オタ氏の家に遊びに行って、セーラー服姿に女装した彼に出迎えられてから、さすがに腰が引けた(~_~;)。いやね、出迎えられただけじゃなくて、まあ、その、抱きつかれちゃったし。言っておくが、私にはそちらの趣味は一切ない。断じてない。慌てて逃げだしたが、そのときはかなり乱暴にオタ氏の手を振りほどいたこともあって、そのあとの関係が気まずくならざるを得なかった。
 それから少しずつオタ氏とは距離を置くようになったのだけれども、私に関する中傷のハガキが職場やその周辺に出回り始めたのもそのころからである。かわいさ余って憎さ百倍といったところか。何しろそんな事件は「オタ氏の周辺でしか起こらない」のだから、犯人が誰かは一目瞭然であった。イタズラ電話が増え、電話をナンバーディスプレイにして、非通知電話はカットするようにした途端、オタ氏からの電話もかからなくなった。どうやらイタ伝もオタ氏の仕業だったようである。そして「被害者」が私一人ではなかった、ということも段々とわかってきた(実は今日、ハガキを受け取った時も、そばにいた同僚が、偶然にも、その人の被害者で、「アッ、それ、○○氏のハガキじゃないですか!?」と言っていた。全く、いったい何十人、何百人の人間が被害にあっているか、知れたものではない)。
 しかし、警察に何度足を運んでも、誰一人としてこれを事件として取り上げてはくれないのである。名誉毀損か何かに当たるんじゃないか、と思うのだが、ともかく、たとえどんなにオタ氏が犯人である、と主張しても、物的証拠はないのだ、と言って断られる。100通、200通、ハガキをばら撒かれようが、それが本人の名前でなく、他人の名前である以上は(私の名前で他人の中傷を送られたこともあった)、責任はその「名前の」送り主に存するものであって、オタ氏には何の関係もない、という解釈を警察は主張するのである。そのオタ氏、状況を撹乱する意味もあったのだろうが、なんと「自分に対する中傷を私の名前でもばら撒いていた」のだから、オタ氏のことを知らない人間は、私が犯人なのか、オタ氏が犯人なのか区別がつかないようにもなっていたのだ。
 ありがたいことに、私の知り合いで私の方が犯人だと疑った人はただの一人もいなかった(事件はあくまでオタ氏中心で、私の知らない人も被害にあっていたのだから、当然なのだが)。ところがそのことを警察に話すと、「つまりあなたは犯人だと疑われてもいず、実質的に被害にはあっていないのですから、告訴はムリです」と言われてしまった。
 そんなバカな話があるか、名前騙られてるのに、と思ったが、まあ、昔から不祥事だらけの福岡県警であるから、そんなたかがハガキのイタズラ程度で動きたくはなかったのであろう。
 しかしイタズラとは言っても、規模が半端ではない。オタ氏の中傷ハガキの一部は、なんと「宮内庁」にまで送られていたのだ。内容は私のことを「国家に反逆する意図がある。不敬罪で訴えなさい」、というようなものであったらしいが、私は別にそんな意見は持っていないし、第一、地方の一市民の思想について、そんな訴えを宮内庁に送りつけるという行為にどんな意図があるのか、サッパリわからない。宮内庁は一応、義務としてウチの職場に照会をしてきたようだが、もちろんそれで私がどうこうされたということはない。と言うか、理解に苦しんでいたのは宮内庁の方だったようである。
 結局は私にフラレた恨み骨髄、といったところなのだろうが、相手がノーマルかそうでないかくらいのこと、見抜いてほしいものだ。全く、とんだ逆恨みである。
 実はその中傷ハガキの件は、一度新聞沙汰、テレビニュースにもなったのだが、それでも警察は動かなかった。誰かケガ人の一人でも出ない限り、この国では匿名であれば中傷なんてし放題なのである。そのころまだ「2ちゃんねる」は存在していなかったが、あれば私のこともオタ氏は実名でガンガン書きこんでいたことだろう。
 それでも放置しているうちにハガキの数は減り、この2年ほどは何の音沙汰もなかったのであるが、今日、また、どういう風の吹きまわしか何がきっかけになったのか、そういうハガキが来たのだ。どうやら、こないだまで、職場で窓際に追いやられていたか自宅待機だかにさせられていて、自由に動くことができなかったらしいのだが、しばらく神妙にしていたおかげで職場復帰を果たしたものらしい。しかも昔、一緒に自主アニメを作っていた仲間がプロのアニメーターになり、最近その人が監督した劇場アニメが大ヒットを飛ばしたりしたことも、多分、オタ氏の鬱屈を高める結果になったのだと思われる。
 よく、オタクはアニメや特撮が好きだってだけで迫害された経験があるから、そのルサンチマンが溜まりに溜まっているのだとかほざいてるやつがいるが、そんなのは嫉妬心と猜疑心を5年も10年も抱えこんでいていい言い訳になどなりはしない。いい加減、ほかに楽しいこと見付けて、好きな「男」でもゲットしてくれたらと思うのだが(当然のごとく、そのオタ氏は独身である)、まあ、マリアナ海溝よりも深い愛情をお持ちの、同好の趣味の方であったとしても、オタ氏相手に一生を棒に振るのはゴカンベンというところであろう。いやまあ、見た目も典型的なハゲデブオタだし(^_^;)。
 どうせ今回も私に「実害」はない。オタ氏がいくらハガキをバラ撒こうが、オタ氏の財布からハガキ代が飛んでいくだけの話である(月に万単位で使ってるんだから、全くご苦労なことである)。これまでの経緯から、オタ氏ができることなんて、「ハガキ書くこと」しかなく、私に対して「実害」を与えるような具体的な何かを仕掛けてくる度胸もないのだ、と確信できた。この日記でいくらネタにしたところで、何の問題も生じはしない、ということがはっきりわかったので、こうして書くことにしたのである。つか、このサイトの存在自体、オタ氏は知らないだろうけれど。
 というわけで、私はしょっちゅう「オタクはよう」、とイタいオタクのことをあげつらっているのだが、念頭にあるのは殆どこのオタ氏のことなのである。この日記を読んでるオタな方、勝手に「自分のことだ」と誤解、つーか、被害妄想に陥ったりしないように。そう思い込んでしまったら、それは取りも直さず、アナタ自身がこの「オタ氏と同類」だということになるんだからね。
 ……と言うわけで、あえて言おう、世間の「結婚できない」オタク諸君(する気がもともとない人は除く)、自分が結婚できないことを他人のせいや世の中の偏見のせいにしちゃイカンですよー。紛れもなく、原因は「アナタ自身」にしかないのだからねー。


 しげに迎えに来てもらって、仕事帰りに「庄屋」で食事。「レッドキャベツ」で買い物をして、「積文館」で本を買い込む。
 昨日に引き続いて、トンガリさんの仕事を代行していたので、今日はすっかり疲れ果てて本も余り読めなかった。
 マンガ、ゆうきまさみ+とり・みき『新・土曜ワイド殺人事件』、和田慎二『スケバン刑事if』、唐沢なをき『電脳炎 ハイブリッド版』ver.5、とこんなもの。


 夜、よしひと嬢に「『イノセンス』はどのバージョン買うの?」と電話。よしひと嬢、既にチラシを手に入れていて(さすがだ)、「台本とか点いてるのにしようかと思うんですけど。犬は要らないから」とのこと。だったらやっぱり私は「コレクターズボックス」を予約しないといけないのだろうか。アマゾンだと20%引きだからなあ。そちらで買ったほうが少しは安くつきそうなのである。

2003年07月06日(日) 日曜の昼は出たくないね/DVD『悪魔くん』vol.1/『ワイド版 風雲児たち』14巻(みなもと太郎)ほか
2002年07月06日(土) 理想の正論より現実の暴論/映画『スターウォーズ エピソード2 クローンの攻撃』
2001年07月06日(金) ニュースな一日/DVD『遊撃戦』第一話ほか


2004年07月05日(月) テレビが見えーん!

 今週末にトンガリさんを交えての会議が予定されていたのだけれど、諸事情で来週に延期してもらうように頼む。理由は、トンガリさんの肩代わりでやってる仕事が一向に終わらないから(~_~;)。
 トンガリさんが担当していたおカネの流れに不明瞭なところがある、と以前の日記に書いたけれども、いわゆる「使途不明金」というものがあるわけではないのだ。それどころか、帳簿上は実にキッチリと何が何に使われたか、あの人、しっかりと記載しているのである。
 問題は、その「記載されている」ということなのであって、これをこの部署のこの予算から支出してたらアカンでしょうというのが、ボロボロ出てくるのである。とは言え、そういうのもすべて理由を明確にして上司の決済がおりていれば何の問題もないのであるが、トンガリさん、全て「自分の決済で事足りる」と思いこんで全て自分の判断のみでやっちゃってるからコトはいささか看過できない状況になっちゃってるのである。
 ……だからねえ、アンタ、もともとそんな権限なんて持ってないんだってこと、知っとかないと。
 こういう好き勝手に生きているところ、完全に自我肥大を起こしているのである。ああ、でもこの膨大な資料、仕事の合間使って今週中にまとめられるんだろうか。


 ここんとこ絶不調であったうちのテレビ、ついにスイッチを入れても画面が映らなくなってしまった。修理に出すしか仕方がないのであるが、どれくらいおカネが取られるものか。つかねー、テレビって実はそんなに使わなくてもいいんだよねー。ニュースはネットである程度調べられるし、映像はあまり必要ない。見たいドラマとか、バラエティとか、それほど多くはないし、アニメや映画は、ほしいものは結局DVDで買っちゃうのである。DVDならパソコンで見られるし。「今週のセラムンだけは見逃せない!」とか、どうしても見たいときには、電波だけ本体から飛ばして、風呂場の受像機で見る、という最終手段もあるのである。
 と言っても不便は不便なので、そのうち電器屋さんに来てもらわねばなるまいが、問題なのは、その電器屋さんに修繕するためのスペースを作ってあげなきゃならんということなのである(-_-;)。……その前に大掃除をしなきゃならないじゃないの。
 誰かバイト代、半日6000円あげるから、ウチの掃除、手伝って。って、日頃自分でやってりゃ問題ないじゃんよう。

 読んだ本、『せりふの時代』夏季号、養老孟司『死の壁』。


 こないだ日記に「ハリウッド版『ドラゴンボールZ』って作ってんの?」と書いてたんだけど、どうやら製作の20世紀フォックス、まだ諦めてなかったらしい。『ビッグ・ヒット』などの脚本家、ベン・ラムジーに脚色を依頼したんだとか。ただし、キャストや監督については未定、ということで、これはハリウッドにおいては実質上「製作は進んでいない」というのと同義語である。
 ……いやさあ、『ザ・リング』のハリウッドリメイクの成功とかで有頂天になってる人もいるかもしれないけどさあ、日本のコミックやゲーム原作の実写映像化で成功した例って、そもそもすっごく少ないと思うんだけど、どうなんですか、そこんとこ。
 どんなにCGだのVFXだのが向上しようが、所詮は『ストリートファイター』の二の舞にしかならんと思うんだけど、これ、原作権料は一応買ったんだから、製作進めないわけにはいかないって意地張ってるプロデューサーがいるってだけなんじゃないの? もちろんそんな実務能力のないヤツは、結局大金をドブに捨てる結果になって、降格されたり職を追われたりするハメになるんだけどね。

2003年07月05日(土) 同情でもいいから少しはくれ(T∇T)/DVD『山村浩二作品集』/『沈夫人の料理人』1巻(深巳琳子)ほか
2002年07月05日(金) 金曜で〜とだ。一応/映画『マジェスティック』/『気になるヨメさん』1巻(星里もちる)/『クロノアイズ』6巻(長谷川裕一)
2001年07月05日(木) 疲れてるとかえって饒舌/DVD『アリオン』ほか


2004年07月04日(日) 風、風〜、風、風〜、な〜にをやっても風まかせ〜♪

 朝の特撮、アニメをツラツラ見たあと、昼から百道まで外出。
 福岡市博物館での「平賀源内展」を見に行くためだが、今日が実は最終日。当初はしげと一緒に行くつもりだったのが、どうしても都合が合わずに断念した。
 「エレキテル」の実験実演なんてのは予想範囲であったが、当時大流行したという反射式のぞき眼鏡が多数展示されていたのは嬉しかった。どの程度立体的に見えるものなのか、こればかりは図録ではわからず、現物を覗いてみるしかないのである。予想した通りではあったが、レンズを通して見たからと言って、さほど立体的に見えるわけでもない。けれど遠近法で描かれた絵自体に接するのが初めてであった日本人には、充分3Dに見えたんだろうと思われる。
 みなもと太郎『風雲児たち』、水木しげる『東西奇ッ怪紳士録』の原画、幻のNHK時代劇『天下御免』の番宣ハガキなども展示。山口崇が若いことと言ったら。
 みなもと太郎の原画などをじっくりと見ると、滲んだ印刷の線とは違っていて、本来の線が抜群に滑らかで美しいことがわかる。こういうところにまで目を配ってくれているのだから、源内ファンにも相当なオタクがいるのだろう(^o^)。
 図録には載っていない、最近発見されたばかりの司馬江漢筆の風景図などは、「来て見てよかった」と思える逸品であった。
 大学の頃から源内のファンで、墓参りまでしたくらいなのだが、そのころ源内の墓は雨曝しであった。20年の時が過ぎ、今はきれいな白木の屋根が付けられているようである。源内さん、喜んでるだろうか。

 博物館の帰り、天神LIMBに寄って、DVDを買い込む。最近は博多駅の紀伊國屋でたいていの用が足りるので、LIMBにはとんとご無沙汰である。DVD『怪奇大作戦』は今回で完結。『古畑任三郎』2ndシーズンのDVDボックスはもう先月くらいに出ていたのだが、ようやく購入。こうしょっちゅうシリーズものだのボックスばかり買っていると、毎日見る映画、DVDには事欠かないどころか、溜まりまくりである。『古畑』も果たして全話見られるのはいつごろになるか。

 夜、福岡市民会館で、ラクーンドッグさんの練習を見学。
 しげがドッグさんの「エコロジーな缶詰ワールド」に参加することになったので、様子をちょびっとだけ覗かせてもらうつもりだったのだが、気がついてみると、肉練はやらされてるわ、フルーツバスケットはやってるわで、なんだか随分馴れ馴れしくなっているのであった。厚顔無恥だよなあ、オレ。
 ドッグさんとこは次の公演、『裁きの檻』の稽古の真っ最中。なんだかお邪魔してしまったようで心苦しかったのだが、人んちの練習風景というのはやっぱり参考になるのである。ドッグさんのほかには、キャストは、冨田文子さん、草野久美子さんのお二人。三人芝居で、しかも男一に対して女二なのは今度のウチの芝居もなのであるが、この「三人」という構成は、演劇の基本中の基本のようなパターンである。それだけに、それぞれの役割がクサイくらいに明確でないと、逆にキャラクター同士の葛藤が散漫になってしまいかねないという怖さもある。まだ本読みを始めたばかりなので、そのあたりのことはなんともコメントのしようがないのだが、ドラマの骨格はなかなか興味深いものがあったので、ぜひ面白いものに仕上げていってほしいのである。

 DVD『古畑任三郎』、1話〜3話。これもファーストシーズンを含めて、感想をコンテンツに挙げたいのだが、時間が全然ないのである。

 『げんしけん』のテレビアニメ公式サイトが開設。
 気になるスタッフ・キャストは以下の通り。
〔スタッフ〕
 原作 木尾士目(講談社・月刊「アフタヌーン」連載)
 監督 池端隆史
 シリーズ構成 横手美智子
 脚本 横手美智子、池田眞美子、中瀬理香、吉田玲子、平見瞠、高橋ナツコ、小林靖子、花村こけし
 キャラクターデザイン・総作画監督 木下裕孝
 美術監督 奥井 伸
 色彩設計 西香代子
 撮影監督 土田栄司
 編集 田熊純
 音響監督 明田川仁
 音楽制作 ランティス
 制作 ジェンコ
 アニメーション制作 パルムスタジオ
 製作 現視研研究会
〔キャスト〕
 笹原完士 大山鎬則
 高坂真琴 斎賀みつき
 春日部咲 雪野五月
 斑目晴信 檜山修之
 田中総市郎 関 智一
 久我山光紀 乃村健次
 大野加奈子 川澄綾子
 笹原恵子 清水香里

 うーむ、ヒロインがまた雪野五月。『トライガン』以来、見るアニメ見るアニメ、雪野さんで、もしかして第2のハヤシバラを狙ってるのか、という気がしないでもないのだが、そのわりに雪野さんの声って、特徴があまり感じられないのである。斑目が檜山さんというのは、まあ、合ってるのかな。
 キャラデザインなんか見てるとかなり不安材料がありはするのだけれど、それなりのものにはなってほしいものである。
サイトはこちら↓
 http://www.genshiken.info/

2003年07月04日(金) 私は多分ちょっと本気で怒っている/『放送禁止歌』(森達也)
2002年07月04日(木) 丼より皿/『快傑ズバット大全』(ブレインナビ)ほか
2001年07月04日(水) 喉が異常に乾くよう/DVD『少年ドラマシリーズ ユタとふしぎな仲間たち』ほか


2004年07月03日(土) ずっと寝てたんで、たいしたネタはありません。

 ようやく休日。けれど、二日間出勤しただけで体力使い果たしてたせいか、夕方まで死んでいた。と言っても、夕べ寝つかれなくて、朝方になってようやく床についたせいなのだけれど。それでも7時から4時まで、9時間くらいは寝込んでいた計算にはなるので、これではしげのことを「寝汚い」とはののしれないのである。

 
 マンガ、矢上裕『GO WEST!』3巻、木尾士目『げんしけん』1〜4巻。
 『げんしけん』は、前々から買おうかどうしようか迷ってたんだけど、結局買った。こういうオタクを主人公にしたマンガが最近増えたなあ。で、これが白眉ではなかろうか。アニメ化されたってのも頷けるのである。
 「現代視覚文化研究会」略して「げんしけん」なわけだけれども、そう言えば80年代には、マンガ、アニメ、特撮など、オタクの好きな作品を総合的に扱おうって意気込みでこんな感じの名前を付けてたサークルって、あちこちの大学にあった。
 今や文科系のクラブ、サークルは、高校でも大学でも全てオタの巣窟と化しているから(^o^)、わざわざこんな名前のサークルを立ち上げてもあまり存在意義はないのである(演劇関係者なんて、鴻上尚史以来、オタしかいね〜(^_^;))。
 ……というところに目を付けて、同人誌を出すでもなく自主アニメを製作するわけでもなく、ただ何となく駄弁ってコミケに並んで、という程度の「ぬるいオタクたち」に着目したセンスが見事。そのへんのリアルさがキャラクターにナマな感じを与えているのだ。
 「どうせお前のことだから、巨乳コスプレ娘の大野加奈子ちゃんに萌えてんだろう」とか言われそうだが、私のヒイキは、断然、一般人の春日野咲ねーさまである(年下なんだが「ねーさま」としか呼べないよなあ)。オタクを恋人に持ったばかりに、ナニしようって瞬間に「あ、見たいアニメが始まったから」と放り出されるわ、コミケには付き合わされるわ、コスプレはさせられるわ、地獄の責め苦に遭うに等しい苦行を強いられてる姿が健気でもう、なんともねえ。
 ああ、アニメで早いとこ咲ねーさまのケッテンクラート嬢のコスプレが見たいぞぉぉぉぉ!


 DVDで『モンティ・パイソン 人生狂騒曲 2DISC SPECIAL EDITION』。
 既発のDVDを持ってるんだけれども、結局この20周年記念盤も買ってしまった。これでLDで持ってる『ベスト・オブ・モンティ・パイソン』をDVDで買い直したら、現在入手できるパイソンズのDVDは全部揃う(ギリアムの単独監督作などは除く)。
 ……もういい加減で日本でだけでも『ライフ・オブ・ブライアン』を出そうよ。クリスチャンへの冒涜だなんて思いこんでるのは、狂信者だけだって。
 しかし、メイキングはやたら長いし、吹替え版にディレクターズカット盤も、と見ていくと、『人生狂騒曲』見てるだけで4、5時間が経ってしまうのでありました。

2003年07月03日(木) 遊ぶ女/『BURAIKEN』(唐沢なをき)/『超役立ち法律大事典』(行列のできる法律事務所)ほか
2002年07月03日(水) 妻のどこまでも広い背中/『デボラがライバル』1・2巻(多田かおる)/『20世紀少年』9巻(浦沢直樹)ほか
2001年07月03日(火) 頭痛のせいでネカマ風(-_-;)/『黒衣 ―KUROKO―』2巻(高橋葉介)ほか


2004年07月02日(金) あいつのあたまは×××××。

 昨日に引き続き、今日も青息吐息で仕事。
 熱がちょっとぶり返してきたらしく、アタマがふらつくだけならまだしも、仕事してる最中に吐き気がして、机に突っ伏してしまう。ココロの声はもう「帰りてえ〜」だけなんだが、こういうときにもトンガリさんのイヤガラセは襲って来るのである。
 こないだも「書類の書き方がどうの」とか文句言ってたので、「会議に出ねえで文句ばかりつけてんじゃねえ」と一蹴してたのだが、今日はまたまた同じことで噛みついてきたのである。
 「書類の書き方って、これこれこういう風にするのが常識なんじゃないですか?」
 だから私が渡してるのは元になる資料なんであって、それをきちんとした様式にまとめるのはアンタの仕事なんだってば。
 相手にすればするほど腹が立ってくるので、「アンタの代理で書類揃えてやってんだから、そんなに言うなら自分でやってみろ!」と怒る。
 トンガリさん、「ああ、そうですか」と言ってプイとあっちに行ってしまったが、アレは絶対に何も分かってない態度である。結局、イカレた人をイカレているからと言って辞めさせられるわけではなく(サベツになっちゃうんでしょうねえ)、どんなにおかしな行動を取られても、放置しておくしかない、ということなのであろう。……来週も会議が予定されてるんだけれども、またひと悶着あるってことじゃないの。ううう、胃に穴空くよう(T∇T)。


 夕方、やや体調が持ちなおしたようなので、博多駅に回る。
 「紀伊國屋」と「ゲイマーズ」を回って、DVD、文庫本、コミックなど購入。
 ゲーセンでUFOキャッチャー、1000円使って、戦利品はワンピースの電波探知機二つと、ハローキティのホットケーキプレート二つ。なんで二つずつかと言うと、500円で3回やったら、一発でどちらも取れてしまったからである。こういうのがちょこちょこ溜まっていくので、キリ番ゲットのプレゼントにしようかと思ってるのだが、相変わらず申告はないのであった。実際、通りすがりさんが多いんだよなあ。

 シネリーブル博多駅で映画『スイミング・プール』。
 トリック自体はまあまあなんだが、脚本が「甘い」ので、ミステリーとしてはまあまあの出来ってところ。ティンカー・ベル……もとい、リュディビーヌ・サニエがすっぽんぽんになるのはともかく、シャーロット・ランプリングまで脱がんでもいいんじゃないか。
 

 帰宅して、今日買ったDVD『カリキュラマシーン セレクション』鑑賞。
 「♪シャバドゥビドゥッビ、シャビドゥバッ!♪」ってテーマソングを覚えてる人はもう三十路もはるかに越えた中年(^_^;)。ともかく、「幼児教育番組」とは名ばかり、『ゲバゲバ90分』のスタッフが再結集し、宍戸錠、藤村俊二、渡辺篤史、吉田日出子、常田富士男、岡崎友紀、桜田淳子、フォーリーブスといったクセのある面々を使って、ひたすらナンセンスでシュールなギャグ・スケッチを展開させていったというトンデモナイ番組である。
 構成の中心にはあの浦沢義雄さんもいらっしゃるのだが、「各地から発見される『あいうえお』の謎」なんてネタ、絶対書いてるの浦沢さんだろうな。……謎の男が死の間際に残した「あいうえお……段……行」という謎の言葉。そして「きしちにひみいりい」「こそとのほもよろお」など、次々と発見されるプレート。そうして合体し完成された「五十音表」は国宝に指定されるも、男の言葉の謎は解かれぬまま、プレートの発見に奔走した宍戸錠は目を患い、芸者さんと「鬼さんこちら」遊びに興ずるのであった。……って子供番組のネタじゃね〜よ、これ!( ̄∇ ̄ ;)
 アニメーションは『ゲバゲバ』に引き続いて木下蓮三。「あいうえお」の歌ではなんとキャラクターデザインに赤塚不二夫を迎え、『レッツラゴン』をアニメ化している。……『バカボン』や『おそ松くん』は何度もアニメにするくせに、赤塚不二夫最高傑作である『レッツラゴン』をアニメにしようというやつがどうとしていないんだ、と憤ってたものだったが、ちゃんと木下さんは目を付けていたのであった。脱帽。
 この歌、好きだったんだけれども、細かいところは忘れてたんで、今回確認できたのがすっげー嬉しかった。メロディー覚えてる人は歌ってみようね。

 ♪あいつの あたまは あいうえお
  かんじん かなめが かきくけこ
  さんざん さわいで さしすせそ
  たいした たいどで たちつてと
  なーにが なんだか なにぬねの
  はなはだ はんぱで はひふへほ
  まんなか まるあき まみむめも
  やーけの やんぱち やいゆえよ
  らくだい らくちん らりるれろ
  わーけも わからず わいうえお(注・「を」にあらず)
  ん〜!♪

 当時も楽しんで見てたんだけれど、今見て古びてないってのはスゴイ。現代のコント作家、温故知新じゃないけど、もっと旧作を見ておくべきじゃないのかね。


 今日読んだ本、唐沢俊一・村崎百郎『社会派くんがゆく!死闘編』、マンガ、大場つぐみ原作・桂正和漫画『デスノート』2巻、北条司『エンジェルハート』11巻、長谷川裕一・大庭園『無人惑星サヴァイヴ』2巻(完結)。

 
 俳優、マーロン・ブランドが死去。享年80。
 誰が何と言おうと、この人の最高傑作は『伯爵夫人』である。チャップリンの「動き」と「間」を“まがりなりにも”再現できた役者がいたんだから、この世に!
 のちの『チャーリー』のロバート・ダウニー・ジュニアとその動きを比較してみれば、その「軽やかさ」の違いは一目瞭然だ。『波止場』や『ラストタンゴ・イン・パリ』なんかより、この時のブランドの方が私はずっと好きだ。
 『ゴッドファーザー』や『地獄の黙示録』だけでこの役者の芸の広さを語るのは「もったいない」と思うよ。
 え? 『スーパーマン』に『D.N.A.』? なんですか、それ。


 DVD『イノセンス』が9月15日に発売されることが決まったけれど、「スタンダード版」のほかに3種類も別バージョンが出るそうである。
 その内訳は以下の通り。

1、「スタンダード版」
 いわゆる「通常版」。と言っても本編だけを収録するのではなく、特典ディスクとの2枚組。
 本編ディスクは片面2層で、収録時間が99分。ドルビーデジタルEXとドルビーデジタルステレオの2種類で音声収録。映像はビスタサイズをスクイーズ収録、字幕は日本語のみ。音声特典として、押井守監督と演出の西久保利彦によるオーディオコメンタリーを収録予定。
 特典ディスクには劇場予告編集と、15分のメイキング映像を収録。押井監督とスタジオ・ジブリの鈴木敏夫プロデューサーとの対談(約40分)も収録。

2、「リミテッドエディション VOLUME1・DOG BOX」
 本編ディスクはスタンダード版とほぼ同じ。ただ、音声はドルビーデジタルEXとDTS-ESで収録。そのほかの映像や字幕、特典ディスクなどの仕様はすべてスタンダード版と同じ。じゃあどこが「ドッグ・ボックス」なのかというと、劇中に登場したバセットハウンド犬のポリストーン製フィギュア(オルゴール内臓)を同梱しているのである。欲しい人は欲しいんのかな、こういうの。

3、「リミテッドエディション VOLUME2・STAFF BOX」 
 収録する本編、特典ディスクはDOG BOXと同じ。封入特典として、絵コンテと脚本、アフレコ台本を同梱。

4、「コレクターズBOX」
 一番「盛り沢山」なのがこれ。
 収録する本編、特典ディスクはDOG BOX、STAFF BOXと同じだけれど、特典ディスクに収録したものよりもさらに長い「4時間」のメイキング映像を収録したDVD3枚(「作画編」「音編」「宣伝戦略 〜カンヌへ、そして世界へ」)を付属。
 封入特典は、(1)海洋堂の竹谷隆之監修によるポリストーンとレジン製「ガイノイドフィギュア」(40cm)、(2)押井監督監修のレイアウト集「イノセンス METHODS 押井守 演出ノート」、(3)プロダクションデザイナーの種田陽平監修による「イノセンス オフィシャル・アートブック」。

 ……これって、1と、2〜4をまとめたもの二種類を出しゃそれでよかったんじゃないのか? あわよくばオタクに全部買わせようってハラか? まったくボリまくりやがってよう。
 私が買うなら3か4かなあ。よしひと嬢が4を買うというのなら(買わないわけはないな)私は3でガマンしてもいいのだが。
 2と3のリミテッドエディションは各15,000セットの限定生産で、4のコレクターズBOXは予約限定商品、予約締切は8月10日だそうな。さあ、どれを買おうかなんて迷ってる時間はないぞ、オタクな諸君(^o^)。

2003年07月02日(水) ストレスは溜まるようになっている/映画『復活の日』
2002年07月02日(火) アニメ見るのは浮気じゃないよん/アニメ『最終兵器彼女』第1話/『エクセル▽サーガ』9巻(六道神士)ほか
2001年07月02日(月) ばとんたっちorあとはどうなと/『赤い雲』(西岸良平)ほか



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藤原敬之(ふじわら・けいし)