最近会っていない高校時代の男友達から 久しぶりに電話が来た。 結婚の報告でした。 彼は、昔から恋愛、ましてや結婚なんてぇのからは 一番縁遠い人だと思っていたのだけれど。 この人と一生を共にして行こう。て思う時ってのは どうゆう感じなんでしょうかね。 あたしは、逆に今、恋愛や結婚なんてぇのからは 一番縁遠い人間なので、よく理解らない。
一生を共にして行こう。と思える人に出会える事は それはもう奇跡みたいに素敵な事なんだろうな。 こんな日に幸せな話を聞くのは、悪くないです。
* 『死は生の対極としてではなく、その一部として存在している』 いつでも、いつまでも持っている言葉。 村上春樹『ノルウェイの森』より。 *
海沿いの初めて通る道を走っていた。 もう外は肌寒かったけれど、空気が澄んでいて 半月も星も綺麗に見える。 そこの道はあの街へ繋がっていた。 何となく、行って見る事にした。
近くはないのに、見慣れた街だった。 当たり前ながら、彼はもういない。 彼が働いていたバーにも。 あのコンビニにも。 寒さに背中を丸めて歩いていたりするはずもないし、 一人で映画を観ていたりもしない。 当たり前ながら、彼はもう此処にはいなかった。
街並みもそこにいる人達も何一つ変わってはいないのに ただ彼だけがこの街には、もういないのだ。 あたしはそれが現実だとちゃんと知っているけれど 何だか凄く不思議な感じがした。 それから少しだけ泣きたくなった。
いつもとだいたい同じ時間に彼から電話が来た。 くだらない話もしたが、今日彼が主に語った事は 『夢』についてだ。 それは『夢』と括るには今にも手が届きそうな 現実味を帯びた夢だった。
*友達との共同経営でブランドを立ち上げる*
あたしなんかが聞いたら『すげぇな。でかいな。』 て話なのだが、何年かしたら、もしかしたら何ヶ月かしたら 彼はその夢を現実にするだろう。 あたしは彼のそんな話を聞きながら、ただ閉口と感心を。 あたしの夢って何だった? 何がしたかった? 今、何がしたい? 今、何をしてる?
夢を語るのは自由であり、それを目指すのに年齢なんて関係ない。 と誰かは言う。 この歳になって、お嫁さんになりたい。なんてもし言ったら あまりにリアルで、笑えるな(確かに、幸せな家庭は築きたいが) 何かを思い出して、奮い立たせて、今始める事も出来る。 いい機会でもある。 でも、あたしは本当に何がしたいだろう。 腐る程時間はある。 なのに、何をしてるんだろう。 何をしたらいいんだろう。
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