『森美術館』,『おまた』

 原稿。どうも集中できない。取り掛かり始めるとすぐに他の事が気になったり、眠くなる。
原稿を書いている期間が一番寝てる、ってどういうことだ。

そこで次の企画を考える。よし、この企画を立ち上げよう。そのために今は目の前の原稿を仕上げよう、となればいいのに、出版計画本に手が伸びて読み始めてしまう。
何をやっているのだ。でも次の企画を考えている時が一番楽しい。

 随分久し振りのような気がするデート。デザイナーでダンサーでもある『ご近所』のKさん。
期待していたホアキン・コルテスでもマイケル・クラークでも羽賀研二でもなかったが、好印象。
今日は体調が優れないらしいので「今度にしますか」と言ったのだが、大丈夫との事。

『森美術館』入り口で待ち合わせ。6分遅刻。私はKさんの服装を聞いていたからすぐわかったが、一度すれ違う。私を見て「この人かも」とは思わなかったのかしら?それとも「この人じゃありませんように」と思ったのか?

森美術館では『COLORS ファッションと色彩展』を開催中。
この日に是非、というのは本日はギャラリートークがあるからで、解説付きで見るのも楽しいかと思った。

楽しかった。興奮した。それは出品しているのがVIKTOR & ROLF、ドルチェ&ガッバーナ、ジョン・ガリアーノ、ジャン=ポール・ゴルチエ、川久保玲、渡辺淳弥など大好きなデザイナーが多かったから。

見せ方も年代や国、ブランドごとではなく、色別に現代の服と作者不詳の昔のドレスが並んでいるというのが、普段売り場で見るのとも違って、興味深い。
似合うかどうかは別として、着てみたい、と思う服がいっぱい。
マネキンではなく、実際こんな格好した人ばかりでパーティーやったら、楽しいだろうなあ。

Kさんも「かっこいいね」と言っていた。やはり一人で見るより誰かと一緒の方が楽しい。

ギャラリートークがなければ見なかったであろう隣の会場の『小沢剛:同時に答えろYesとNo!』展。くだらなくて面白いものがいくつか。悪くはないがそれほど好きではない。

その昔、醤油を使って描かれたという「醤油画」を小沢氏がコレクションしている、との説明を受けて、屏風に鼻を近づけてみると確かに微かな醤油の香り。
「実は今の解説は架空の想定で、全部小沢さんが描いたものなんです」と学芸員。
やられた。そりゃそうだ、何十年も前に描かれていたら、醤油の香りがするはずがない。

この手の現代アートはゴミを集めてつくりました、みたいなのがよくあるが、さすがに森ビル、汚くはなってない。そこがホッとするような、つまらないような。

チケットに展望台入場料も含まれているので見に行く。
窓はブラインドを下ろしているように真っ白け。雲の中にいるようだった。
サンシャイン60では雨の日の夜は真っ黒けだったが。

美術館が冷房効き過ぎで、Kさんはかなりしんどそう。ご飯も食べずに駅へ。
改札を入ったところで「お大事に」と言って別れる。

 29日は池袋で映画が1,000円の「bukuの日」だが、もう21時過ぎで無理だ。
そうだ、水曜日だからレディス割引で池袋じゃなくても1,000円じゃん、と気づくが既に駅構内。失敗した。

 一人で飲むことにして『おまた』。丸茄子そぼろあんかけ、鰯丸干し。美味しい。
「いわしは獲れなくなっちゃったみたいですね」と言ったら料理担当のおまた弟さんは
「鯨が食べちゃうからですよ」。
「へ?この間テレビで水産庁の見解に漁業関係者はこう反論、って解説やってたけど、その説はどちら側も一言も言ってませんでしたよ。『なぜかはよくわからない』って結論でした」
「言わないですよ。それは言えないんです。『わからない』で商売になって、いいですよね」
そうなんだ。

お酒のメニューに、8月1日に会った『ご近所』のSさんが若旦那の三重県の酒があってビックリ。
「なんでこれ入ってるんですか?」
「営業があったから」とお酒担当のおまた兄さん。
「Sさんから?」
私はSさんとメールで日本酒の美味しい店談義をして、池袋では『おまた』を推薦した。
私がきっかけで『おまた』にこのお酒が?
「いや、酒屋から」
なんだ、Sさんが親しくしている酒屋からのプッシュだったか。
Sさんの蔵は規模が小さく、それほど流通してないから、東京で置いている店は少ない。
飲んでみたいと思っていたが、『おまた』で飲めるとは嬉しい。美味しくて更に嬉しい。
私に興味がなく音信不通になっているSさんだが、久し振りにメールを書いてみよう。
2004年09月29日(水)

『ロフトプラスワン』,『檸檬屋新宿』

 Y先生とメールのやり取りをしていたからか、元内縁夫の夢を見る。
彼が我が家に泊まっていて、私は「ほら!こんなに体が柔らかくなったんだよ」って柔軟体操をして見せる、というまさに今言いたいことをやっていて、可笑しかった。

 原稿を終えて出掛けたかったが、まだまだかかりそう。

 映画『三浦和義事件〜もうひとつのロス疑惑の真実』のDVD発売記念で、三浦和義さんが登場する『ロフトプラスワン』。
19時からだが着いたのは19時半頃。映画は始まっていたが一回見ているので、大丈夫。

三浦さんは良枝さんから託された赤い薔薇の花を胸に挿してトークショウに現れる。カッコイイ。

映画の中で良心的な記者役をやっていた人が乱一世という名前だというのは初めて知った。
「三浦さん、マゾでしょう」などと下ネタ連発。
かつて何かの番組で「CMの間にトイレに行って下さい」と発言して大問題になった司会者が、乱一世その人であったと知って驚く。そこは真面目に話していた。
CM=トイレタイム発言に一番怒ったのはサントリーで、暫く謹慎、と言われて3年間テレビ朝日から干された、とは全く知らなかった。大変だったのね。

8月1日にUPLINKで見たときにも感じた疑問点を東真司監督と三浦さんに質問。
「疑惑当時良枝さんが大きな支えになったのは間違いないし、二人のラブストーリー的エピソードをもっと描いてほしかったとも思う。同じように支えになっていたであろう子供たちが全く出て来ないのは何故?三浦さんの意向ですか?」

三浦さんは「僕は事実が間違っていなければ、どんなふうに描いてもらっても構わない」。
(質問とは何の関係もないが)「元ジャニーズだからバイだろう」と壇上の皆に言われていた東監督は「台本にはあったが削った。子供を出す必要はない、出せないと判断した」と考えを説明してくれた。
私はあらかじめ「批判ではなく質問です」と言ったが、答えを聞いてなんか違うのでは、と思った。

子供のことは描くべきだ。見る側も知りたい情報だし、感動指数?がまるで変わるはずだ。

「第2弾で良枝さんから見たロス疑惑、という企画があるので協力して下さい」と言われる。マスコミ、警察、世間様と闘う家族の葛藤と結束、かっこよくて強い男と女を見たいので「わかりました」と答える。2、3千万円でできるそうだ。

終了後、三浦さんと、飛び入りゲストの鈴木邦夫さんにご挨拶。

 『檸檬屋新宿』に寄る。4月6日に訪ねた群馬県立近代美術館の学芸員Tさんが北海道から上京した作家、デザイナーと3人で来ていて、一緒に飲む。

Tさんに「鯨食べたことある?」と聞かれて
「あります」と答えたら
「それはイルカだ」
「鯨です」
「イルカだ」
「鯨を食べたんです」
「今鯨はないんだ。イルカだよ」
「私は『鯨だ』と言われて食べたんです」
「絶対イルカだ」
「いいえ鯨です」
という会話を50回ぐらい繰り返す。

Tさんと飲むのは2回目だが、なんだこの人。
「君は幾つ?」と聞くから
「教えない」。
初対面の作家、デザイナーの2人も呆れ気味。
「どっちでもいいじゃない」「どっちも証拠はないよね」
そうだが、私は給食でも食べているし、一番最近食べたのは数年前『太古八』でだ。
『太古八』がイルカを鯨だと言って出すことはあり得ない。
そもそも鯨とイルカの違いは名前だけ、という話も聞いたことがあるから、この会話は非常にナンセンスだ。
だがそういう説明は求めずTさんがいつまでも「イルカだ」というのをやめないから、私も延々「鯨です」と返し続ける。
楽しいのか?私って本当に男に優しい。

そろそろ閉店かと思ったら、住枝さんも常連Yさんも終電を逃したと言う。あらら。
一番最後に来店した私のせいのような気もするが、抜け駆けして私は終電で帰る。
これは優しくないが、「原稿があるので」と言い訳。
2004年09月28日(火)

『なすび』

 『月刊やきものネット』の原稿。

 原稿は終わらないけど『なすび』。先週はずっと営業を休んでいたので、パーティーの報告とお礼に行く。

パーティーの収支はトントンだった。ささきもと子さんの看板をゲストの皆さんに作って頂いた、という感じ。
こんなに盛況とは予想していなかった。千秋さんと『なすび』の常連さんにも「すごいねえ」と言われる。
誠に有難いことでした。
2004年09月27日(月)

7万アクセス突破,Y先生

 お蔭様で、日記が7万アクセス突破。初めて3年で5万、その後半年で7万。
読者の皆様ありがとうございます。これからもどうぞよろしくお願いします。
感想・意見・メッセージ、お待ちしております。

 『月刊やきものネット』の原稿、のつもりが画家のY先生と携帯メール、何往復も。
そんなことやってる場合、だ。

元内縁夫との内縁関係解消の時は、私がY先生に救われた。
「私はみーんなに話して書いて、励まされ、ご馳走してもらい(これはかなり効く)、助けてもらいました。私にできることがあれば、何なりと。」

「ところで、彼女は嫉妬する人でしたか?Y先生は?私、最近嫉妬について(特に女の)考えさせられることいろいろ。普通の感情なのに、どうしてこう醜い表れ方をするのでしょうね。嫉妬しないで!って声高に言う程自分が嫉妬してるって言ってるようなものなのに、とか。聞くに耐えない下品さをさらしてまで、何を望んでいるのか?と考えると、不快さの中にも面白く感じるものがありますね。」

と書き送る。

 私のところより激しく荒らされている掲示板の管理者と「他人のたんつぼ(汚くてスミマセン)みたいになってますね」と話す。対策について。
こちらは全くそんなことやってる場合じゃない。
2004年09月26日(日)

生きてん母ちゃん,生きている(た)ちゃん

 母から電話。22日のパーティーではかなり酔っ払って、終電ギリギリに店を出た。
以来電話もメールも反応がなく、心配していた。
「大丈夫。ちゃんと帰ったわよ。次の日は電話も出来なかったけど、昨日は出掛けて遅くなったから」

電脳キツネ目組のAさんは母を「素敵な方ですね」と言ってくれたが、ステキというよりスゴイ。あれでしっかり帰れたのはやはりスゴイ。

 (た)ちゃんから電話。
(た):「元気?今大丈夫?」
私:「用件だけにして」
「具合悪いの?」
「用件は何?」
「どうしても削除して欲しいところがあって」
「その事なら何も話すことはないから」
「そんな一方的なことすると…」
「一方的なことしてるのは(た)ちゃんでしょう。切ります」
「著作権が…」
「切るよ」
その後の電話には出ず。留守電も聞かず。

だからBBSへ?

7月21日の留守電に残してたように人に命令するのではなく、自身が実名で書き込んだらどうか。あ、いや撤回。
6月から「死ぬ死ぬ」って言ってたから遺言かと思って反応してしまい、大失敗。
当該機関の「相手にしないこと」というアドバイスに従って、もう何も言うまい。
2004年09月25日(土)

Y先生

 やらなければならないことは沢山あるが、てきぱきと行かず。

22日のパーティー会場を提供してくれた『なすび』の千秋さん、手伝ってくれた電脳キツネ目組Aさん、来てくれたお客様たちへやっとお礼メール。

 幼い頃の元内縁夫に絵を教えていたY先生から電話。
Y先生はパーティーでいろいろ語ってくれたのだが、あまり覚えていないらしい。
「恋話してましたよ」と聞いた話をすると「えー?俺そんな事言ったの?」

悲しい恋話の続き。悲しい絵、悲しい音楽について。
「俺は悲しーい絵を描きたいと思っているんだけど、見る人は『嬉しそう』って言うんだよ。アハハ」とY先生。

何年も続いた恋愛関係をある日突然ぶった切るとか切られる経験は私には無いが、切られた方は酷く傷つくものだろう。
そういう去り方をする人は自分が傷付くのが怖いから、そんな残酷なことをするのだろうか。
2004年09月24日(金)

二日酔い

 具合悪。吐き気がするものの、昨夜はろくに食べていないので出るものが無い。
「昨日は行かれなくてゴメンナサイ」とか「飲み過ぎて大変でした」というメールが数通。
早速写真を送ってくれる人もあり、嬉しい。

至らぬ点を思い出して悶々としたり、楽しい会話を思い出し笑いしたり。

収支決算をしなくちゃだけど、とても無理。
2004年09月23日(木)

抱茎亭日乗 / エムサク

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